2008 Fiscal Year Annual Research Report
高速・高面圧下におけるPEEK樹脂軸受の焼付きとその検出に関する研究
Project/Area Number |
18560147
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Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
赤垣 友治 Hachinohe National College of Technology, 機械工学科, 教授 (20149909)
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Keywords | トライボロジー / PEEK樹脂軸受 / 焼付き / 摩耗粒子 / 摩耗診断 / メンテナンス |
Research Abstract |
油潤滑下におけるPEEK複合材料及び未充填PEEK材料(PEEK)の焼付き特性をすべり速度10〜20m/sの高速下で調べた.摩耗面及び発生した摩耗粒子はSEMで観察し,EDSで分析した.また,潤滑油中に含まれる摩耗粒子のSOAP分析も行った.以下に得られた結果を示す. 1. PEEK及びPEEK複合材料の焼付き挙動は、リング温度に強く依存することがわかった。良好な油膜が形成されていてもリング温度が増加し続ける場合、運転条件にかかわらず100℃を超えると摩擦係数が増加し始め、PEEKは120〜130℃,PEEK複合材料は160〜180℃を超えると焼付きに遷移した。リング温度が100℃以下で一定になる場合には、焼き付くことはなかった。 2. PEEK材料の表面粗さが大きく良好な油膜が形成されない場合、摩擦初期になじみが起こらず摩擦面温度が上昇し続け容易に焼付きを生じた。従って、樹脂軸受及び回転軸の粗さは小さくすることが耐焼付き性向上のためには重要であることがわかった。 3. 焼付きによって、樹脂表面では溶融軟化の痕跡があり、微細なロール状やプレート状摩耗粒子が特徴的に発生した。このように、発生する摩耗粒子形態から、樹脂軸受の運転状態を把握することができる。 4. PEEKの場合、2つのタイプの焼付きが観察された:リング温度の上昇による表面層の溶融軟化と大規模な塑性流動に起因した焼付きと油入口部への摩耗粒子凝集による油供給不足(oil starvation)に起因した焼付き。後者の焼付きは、前者に比較して低温度で容易に起こる。
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Research Products
(2 results)