2006 Fiscal Year Annual Research Report
頚動脈分岐部での力学的刺激・物質輸送と細胞の機能異変との関連に関する研究
Project/Area Number |
18560155
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
多田 茂 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (70251650)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 流体力学的せん断応力 / 動脈硬化症 / 物質輸送 / 頸動脈分岐部 / 酸素 / 一酸化窒素 / 蛍光イメージング |
Research Abstract |
本研究では血流及び血管のバイオメカニクスと物質輸送という視点から血管分岐部におけるマクロな血行力学的効果がミクロスケールで生じる血管細胞の生理機能に与える影響を明らかにする。 平成18年度は [1]頸動脈分岐部でのせん断応力・壁伸張の波形パターンが、動脈の他の部位のそれらとは際だって異なる特徴について実験的に明らかにし、定量的評価を行うということ。 [2]頸動脈分岐部でのせん断応力・壁伸張による力学的刺激によって細胞の動脈硬化抑制機能、すなわち一酸化窒素(NO)の産生能、が低下するということ。 を明らかにすることを目標とし、実験を行った。 【実験の概要】予備実験としてウシ臍帯動脈内皮細胞を用いた実験を行った。 (1)まず頸動脈分岐部でのせん断応力の時間履歴を再現するため、せん断応力負荷装置を製作し、内皮細胞を培養したシリコンシートを装置に取り付ける。 (2)蛍光顕微鏡のステージに設置した石英ガラス製小型チャンバーにシリコンシートをセットし、チャンバーに培養用培地を満たし、上部にせん断応力負荷装置をセットする。装置全体を37±0.1℃に保たれた断熱ユニットに収納し、実験装置を稼働させ、一定の時間(〜1h)毎にせん断応力負荷装置を取り外し、細胞イメージングシステムを用いてNO産生量の変化を測定した。 NO産生量の測定は当初予想していたよりデータのばらつきが大きく、未だ信頼性の高いデータを得るには至っていない。その解決法として、顕微鏡の倍率を上げることでコントラストを挙げ、NO検定試薬においても様々な情報を頼りに、別の試薬への切り替えを検討している、実験装置の改善も検討している。
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