2007 Fiscal Year Annual Research Report
超音速過膨張噴流構造における履歴現象の解明とその準定常解析手法の適用限界
Project/Area Number |
18560172
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
瀬戸口 俊明 Saga University, 海洋エネルギー研究センター, 教授 (90145186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 繁 佐賀大学, 理工学部, 教授 (60229424)
塩見 憲正 佐賀大学, 理工学部, 助教 (80284610)
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Keywords | 超音速噴流 / 過膨張噴流 / 履歴現象 / 衝撃波 / 非定常噴流 / 非平衡凝縮 / 準定常解析 / 圧縮性流体 |
Research Abstract |
超音速過膨張噴流構造の履歴現象を実験的に示すとともにその発生原因を明らかにすることを主題とした本年度の計画通りの研究を実施し、以下に示す結論を得た。 1.超音速過膨張噴流における履歴現象の実験的解明 超音速過膨張噴流の非定常実験を、2つのノズル出ロマッハ数を有するラバルノズルに対して行った。実験では、過膨張噴流が発生する圧力比(貯気圧/背圧)を含む範囲内で、圧力比を減少、その後増加させ、特に噴流中で生ずる衝撃波形状に関する履歴現象について考察した。得られた知見は、以下の通りである。 (1)過膨張噴流中の衝撃波の反射形態(マッハ反射←→正常反射)に関し、履歴現象が存在することを実験的に確認した。 (2)出口マッハ数が大きい場合の過膨張噴流ほど、履歴現象が存在する圧力比の領域が大きくなる。 (3)圧力比の時間的変化割合を種々変化させ、噴流構造の数値解析結果と比較可能な資料を得た。 2.噴流構造の履歴現象に関する数値解析 高精度化が試みられた噴流構造の数値解析結果と本年度の実験結果の比較を行った。得られた知見は、以下の通りである。 (1)履歴現象が発生する圧力比の範囲および履歴が生じている時の衝撃波形状について、数値解析結果は実験と概ね一致する。 (2)噴流の質量流量は、履歴現象が発生する圧力比の範囲内で圧力比の増減によって変化し、履歴現象の発生機構に関してはこの質量流量の変化が強く影響する。 3.研究の総括 超音速過膨張噴流構造に履歴現象が存在することを実験的に示すとともにその発生範囲に関する知見を得た。よって、本年度の計画は完全に実行された。
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Research Products
(3 results)