2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560208
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
野底 武浩 University of the Ryukyus, 工学部, 教授 (80183903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
儀間 悟 琉球大学, 工学部, 准教授 (60274883)
水口 尚 琉球大学, 工学部, 助教 (70432200)
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Keywords | 流下液膜 / 表面波 / 乱流遷移 / 剪断層 / エンタルピー / 表面張力 |
Research Abstract |
今年度の研究において、傾斜面あるいは鉛直面を流下する液膜表面波の形状を1%の精度で測定できるレーザービーム屈折法を開発・発明した。傾斜面を流下する水の液膜にこれを適用して、表面波の形状と速度を測定した。波間距離が十分離れた波は薄い基底液膜の上を速い速度で流下するRoll waveを形成するが、レーザービーム屈折法による測定により、層流域において基底液膜の厚さは水平からの傾斜角の正弦関数の平方根に反比例し、Roll waveの速度の0.4〜0.5剰に比例することを見出した。また、Roll waveのピーク高さは、基底液膜厚さに比例し、波の速度の1.2剰に比例する。Roll waveは、流下とともにその前縁を直線からU字状に変形させてその先頭以外では進行方向から傾くが、この傾きを考慮に入れた関係が見出された。これらの関係は、Roll waveのピーク表面の曲率半径と表面張力によって生ずる圧力増加が流れに強い影響を持つことを示唆する。 また、液膜表面波の運動を層流域において数値計算によりシミュレーションし、液膜の流れに伴うエンタルピー輸送を運動量と表面張力のエネルギーの各々について計算した。エンタルピー輸送は、表面張力によるものが支配的であり運動量のそれの3倍かそれ以上大きい。より低い周波数の波は、高いピークを有してより速く流下しエンタルピー輸送を増大させる。 今後は、これらの手法を液膜流の層流-乱流遷移域に適用して、表面形状や流れの構造、遷移の機構の解明を進める計画である。
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Research Products
(2 results)