2007 Fiscal Year Annual Research Report
低密度ポリエチレンの高電界下における空間電荷蓄積と絶縁破壊の関係に関する研究
Project/Area Number |
18560315
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 康寛 Musashi Institute of Technology, 工学部, 教授 (30227186)
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Keywords | 空間電荷 / 絶縁破壊 / 低密度ポリエチレン / パルス静電応力法 / 高電界物性 / パケット状電荷 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
架橋ポリエチレン(XLPE)を絶縁材料として用いた電力ケーブル(いわゆるCVケーブル)は交流高電圧用の送電ケーブルとして使用され,その優れた性能とメンテナンスコストが低いことから,直流送電への適用が期待されているが,直流高電圧を印加すると,予期せぬ絶縁破壊が発生することから,高電圧直流送電に用いられたことがない。この絶縁破壊は空間電荷と呼ばれる電荷の蓄積現象によるものであると考えられてきたが,これまでは絶縁破壊と空間電荷を直接関係付ける現象は報告されていなかった。しかし近年になって,我々はXLPEの原材料である低密度ポリエチレン(LDPE)に1MV/cm(100kV/mm)を超える高電界を印加することで,多量の塊状空間電荷(パケット状電荷)が試料内部に蓄積し,局部的に電界が上昇し,絶縁破壊に至る現象を確認した。この現象を解析するために,実験室レベルで,高温で高電界を試料に印加でき,空間電荷分布を簡便に測定できるシステムを開発した。この測定装置を用いて,平成18年度までは,LDPEにナノサイズの酸化マグネシウム(MgO)を添加した試料についてパケット状電荷の発生の抑制について調査を行い,MgOをLDPEに少量添加することで,高温・高電界でもパケット状電荷が発生しにくいことなどを見出した。平成19年度は,パケット状電荷の発生モデルを数値解析するとともに,MgOをLDPEに添加することにより電荷の注入が抑制されるメカニズムとして,MgOとLDPEの誘電率の差が電気的ポテンシャルの井戸を形成し,その井戸に電荷が捕獲されることで,それ以上電荷が注入されないというモデルを考案しその検証のためのシミュレーションと実験を行なうことで検証した。
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Research Products
(14 results)