2006 Fiscal Year Annual Research Report
高イオン導電性ゲル電解質で構成された色素増感太陽電池素子の高効率・長寿命化
Project/Area Number |
18560322
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
京兼 純 奈良工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (50043469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片倉 勝己 奈良工業高等専門学校, 物質化学工学科, 助教授 (80169466)
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Keywords | 色素増感 / 太陽電池 / イオン性液体 / ゲル電解質 / デンドリマー / ナノワイヤー / フッ素系オリゴマー |
Research Abstract |
本研究は2名の代表者と分担者によって、高イオン導電性ゲル電解質で構成された色素増感太陽電池素子の高効率・長寿命化に向けたもので、平成18年度に得られた結果は以下の通りである。 1.フルオロアルキル基含有アクリルアミド(AMPS)および2-グルコシル-オキシエチレンメタクリレート(GEMA)オリゴマーは、DMS等の有機極性溶媒と無架橋状態でゲル化する。 2.AMPSおよびGEMA系オリゴマー類は、リチウム塩類やヨウ化リチウム(LiI)、さらにはヨウ素(I_2)と容易にレドックスゲル電解質を形成する。 3.ゲル電解質のイオン導電率はフルオロアルキル基の分子鎖、リチウム塩、ヨウ化リチウムやヨウ素濃度に著しく依存する。ヨウ化リチウム濃度が5.3[mmol/g]のとき良好なイオン導電率が得られた。 4.フッ素系オリゴマーの分子鎖中にビニールポスホン酸(VPA)のような、カチオンを形成するセグメントを導入すると、7×10^<-3>[S/cm]までイオン導電率が向上することが分かった。 5.上記のことを踏まえAMPSとGEMA系オリゴマーにイオン性液体を導入すると、容易に無架橋状態でゲル化し、ヨウ化リチウム等とレドックスゲル電解質を形成する。特に、イオン性液体としてピラゾール系(1-MPTF)を使用した時、2.5×10^<-2>[S/cm]という高い導電率を得ることができた。 6.本ゲル電解質を用い、色素増感型太陽電池(DSC)セル(FTO基板/TiO2・ルテニウム系色素・ゲル電解質/Pt電極)を作成した。 7.色素増感太陽電池の開放電圧と短絡電流密度は、ゲル電解質中のヨウ素あるいはヨウ化リチウムによって著しく影響を受け、特性が大きく変化することが明らかとなっている。 8.太陽電池セルの多孔質チタニア(TiO_2)電極をスラリー(粒径〜50nm)およびp-25(粒径〜25nm)との複合膜とし、対向電極を白金として膜厚を変化させた場合に変換効率の改善に繋がり、現時点では2%まで向上している。
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Research Products
(6 results)