Research Abstract |
Shannon限界に迫る符号化方式として注目されている,LDPC(Low-DensityParity-Check)符号に関する未解決問題として,(1)出来るだけ詳細に規定された符号アンサンブルを導出し,その性能評価を効率的に行なうこと,(2)装置化を考慮した,代数的な構造を有するLDPC符号の構成法,などが上げられる.本研究では,上記の問題に対する解決策として,(1)Multi-Edge型と呼ばれる新しい非正則LDPC符号アンサンブルの提案とその性能評価に必要な密度発展(Density Evolution)アルゴリズムの開発,(2)LDPC符号のクラスである,修正エキスパンダ符号,アレー符号に対して,ランダム性と代数的構造のバランスをとった,装置化が容易で高性能な符号の構成法,の検討を目的として行なわれ,平成18年度には (1)『対称性』と呼ぶ,Multi-Edge型非正則LDPC符号を規定する基本構造を明らかにして,Multi-Edge型非正則LDPC符号アンサンブルを組織的に記述し,これに適合した密度発展アルゴリズムを開発した (2)修正エキスパンダ符号に対する一般化最小距離繰り返し復号法を提案し,Justesen符号に類似の構成法による,線形時間復号可能でかつ漸近的に良い符号を"陽に"与えることに成功した などの成果を得た. 引き続き,平成19年度には,実際に近い環境を想定したシミュレーションを実施して,提案方式の実用性を検証し, ・提案したMulti-Edge型の非正則LDPC符号アンサンブルの具体例に関して,重み分布ならびにStopping Set分布の漸近的振る舞いを求め,提案符号の有効性を確認する ・提案した代数的構造を有する各種LDPC(-1ikeな)符号に関して,従来符号との性能比較を行ない,提案符号の有効性を確認する ことができた.
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