2008 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキタス・スペースネットワークのためのアンテナシステムに関する研究
Project/Area Number |
18560393
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
出口 博之 Doshisha University, 理工学部, 教授 (80329953)
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Keywords | 移動体通信 / 衛星通信・放送 / アンテナ / 電波 / 最適化 / ビーム成形 / 開口面分布 / 広帯域化 |
Research Abstract |
平面構造の開口面アンテナとして,平面パッチアレーを空間給電して高い利得を得る反射形及び透過形アンテナについて各々基礎的検討を行った.まず,反射形については,地導体とストリップ素子をビアで接続したマッシュルーム構造素子を取り上げ,ストリップ素子の形状ならびにビアの位置のオフセット量が反射位相特性に及ぼす効果を詳細に検討した結果,リフレクトアレー素子に応用できる見通しが得られた.また,透過形については,誘電体基板の両面にスロットを装荷したパッチを提案し,両者の結合共振を利用して2共振帯域通過特性を実現することによって,これまでにない薄型の平面レンズを構成できる見通しが得られた. マイクロストリップ素子を平面状に配列したリフレクトアレーアンテナの広帯域化については,3つの異なる共振現象を巧みに利用した単位素子配列を提案し,その設計・解析法を明らかにした.このアンテナは,電気的な共振現象を利用して,フェーズドアレーアンテナのように位相を制御するもので,空間給電系のオフセット角とは独立に主ビーム方向を設定できるが,アンテナ開口面での位相分布が理想値からずれるとサイドローブレベルの上昇など放射特性の劣化をまねくことになる.従来,特にストリップ素子間相互結合によって不要ローブレベルが上昇するという問題があったが,素子長と共振特性の関係について周期境界条件を基にしたモーメント法を用いて詳細に検討し,このような影響を抑えたアンテナ構成を見出している.そして,この考え方を基にして,アレー素子形状を設計し,試作したリフレクトアレーアンテナにおいて,不要ローブを十分抑えた放射特性が広帯域に得られることを数値計算ならびに実験結果の両面から検証している.
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