2008 Fiscal Year Annual Research Report
非線形構造を考慮したロバスト最適化法とその非線形制御への応用
Project/Area Number |
18560426
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
大石 泰章 Nanzan University, 数理情報学部, 准教授 (80272392)
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Keywords | ロバスト最適化 / 非線形構造 / パラメータ依存Lyapunov関数 / 誤差評価 / 漸近的厳密性 / 制約つき制御 / 切替え型制御 / 許容集合 |
Research Abstract |
本年度は研究計画の最終年度として,以下の3つの研究を行なった:1.未知関数の導関数を含むロバスト半正定値計画問題の解法,2.制約を持つ非線形系の制御,3.研究の総括. 「1」については,前年度の結果を拡張して,未知関数およびその導関数を含むロバスト半正定値計画問題の解法を開発するとともに,その誤差評価を与えて漸近的厳密性を示した.上記の問題は,時変のパラメータに依存する線形系の解析・設計,非線形系の解析などの重要な応用を持つ. 「2」については,制約を持つ非線形系の切替え型制御にロバスト最適化法を応用した.以後の時刻で制約を破らない初期状態の集合を許容集合というが,その計算はロバスト半正定値計画問題に帰着できる.複数のフィードバックゲインに対応する許容集合を求め,状態がどの許容集合に入っているかに基づいてフィードバックゲインの切替えを行なう. 「3」については,ロバスト最適化法の理論,実用性,応用に関して3年間の研究を総括した.理論については,厳密性検証や誤差評価などの成果があり,さらなる展開が期待できる.実用性については,疎構造の利用や適応的分割などの成果はあるが,依然として技術的課題も多い.応用についてはまだ研究は始まったばかりである。残された課題については,平成21〜23年度科学研究費補助金基盤研究(C)として採択された「非線形構造を持つロバスト/非線形制御問題のためのロバスト最適化法」において研究を継続する予定である.
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