2007 Fiscal Year Annual Research Report
非線形H無限大制御を用いた複雑環境下におけるハイブリッド型適応学習制御システムの構築
Project/Area Number |
18560445
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
宮里 義彦 The Institute of Statistical Mathematics, 数理・推論研究係, 准教授 (30174155)
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Keywords | 適応制御 / 非線形制御 / H無限大制御 / 分布定数系 / ゲインスケジューリング制御 / ポリトピックシステム / 反復学習制御 / 拘束条件 |
Research Abstract |
本研究では、非線形H無限大制御(適応制御、非線形制御、ロバスト制御、H無限大制御など)の方法論を発展させ、必要に応じて知的制御の分野の諸手法(ニューラルネット、ファジィ制御、遺伝的アルゴリズムを含む確率的算法、強化学習など)との融合をはかりつつ、複雑な環境の変動のもとで高い適応性を有する、ハイブリッド型適応学習制御システムの構築を行うことを目的とする。このような研究により適応制御、制御科学、知的制御の従来の枠を広げて、それらを含む新たな研究分野の創成とその理論体系の整備も行う。 今年度は特に以下のような成果を得た。 1.逆最適化に基づく適応H無限大制御の手法を、無限次元系である分布定数系の有限次元制御問題に適用した。双曲型分布定数系に対して、スピルオーバー項を外乱と見なすことで、有限次元補償器で安定な適応制御系が実現されることを示した。関連する成果が1編の論文として発表された。 2.拘束条件下で軌道と力を同時に制御する方式(軌道と力のハイブリッド制御)の研究を行った。簡単な線形機械系に対してH無限大の制御指標に基づく設計法の提案を行い、従来法よりも優れた過渡特性を有しながら軌道制御と力制御が達成されていることを確認した。関連する成果が1編の論文として発表された。 3.ポリトープ型LPVシステムに対する適応的なH無限大ゲインスケジューリング制御の構成について研究を行った。制御出力のデータをもとにオンラインでスケジューリングパラメータを調整する方法を考案した。関連する成果が1編の論文として発表された。 4.ロボットマニピュレータに対してハイブリッド型適応機構を用いて反復学習制御系を構成する手法を研究した。パラメータの推定誤差を外乱と見なすH無限大制御手法を用いてシステムを安定化し、反復動作の入出カデータに基づいて制御パラメータを離散時間的に更新するハイブリッド型適応則を考案して、未知のシステムに適用できる学習制御方式を提案した。関連する成果が1編の論文として発表された。
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