2007 Fiscal Year Annual Research Report
基本高水の不確かさの評価とそのUngauged Basinへの適用
Project/Area Number |
18560497
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
立川 康人 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (40227088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寶 馨 京都大学, 防災研究所, 教授 (80144327)
佐山 敬洋 京都大学, 防災研究所, 助教 (70402930)
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Keywords | 分布型流出モデル / 流出予測 / Ungauged Basins / 予測の不確かさ / 治水計画 / 河川計画 / 降雨時系列 / 確率降雨 |
Research Abstract |
水工計画の基本量である基本高水の不確かさを評価し、水文観測が不十分な流域(Ungauged Basin)での水文予測の不確かさを理解するためには、水文モデル(構造、パラメータ同定)の不十分さによる水文予測の不確かさ、水文モデルへの入力となる降雨の不確かさを理解する必要がある。また、水文観測が不十分な流域への適用を図るためには、入力となる降雨の確率・統計的なシミュレーション手法の開発が必要となる。 本研究では、水文モデルの不確かさを理解するために、地形情報を組み込んだ分布型流出予測モデルを用い、降雨の時空間起源に応じたハイドログラフの成分分離手法を適用して、異なるモデルパラメータを用いた場合のモデル内部の振る舞いを分析した。その結果、流域下端では同じ計算流量であっても、異なるモデルパラメータ値の組み合わせによってモデル内部の振る舞いは異なることがあり得るというequifinalityの問題を改めて認識した。一方で、空間分解能の高い詳細な分布型流出モデルにおけるパラメータ値は、スケール効果が取り除かれるためにモデル分解能(構造)への依存性が小さく、予測の不確かさが小さいことが分かった。 次に、観測の不十分な流域での基本高水を算定する基礎として、降雨時系列データのシミュレーション手法を検討した。基本高水を考える上では、特に降雨の極値特性を再現することができるような降雨シミュレーション手法が重要となる。このためにノイマン・スコット型の降雨時系列発生手法を改良し、発生した時系列によるT年確率水文量が観測データから得られたT年確率水文量と対応するような降雨時系列生成手法を開発した。さらにUngauged Basinを対象とするために、時間・空間的なスケーリング手法を用いたIDF曲線(降雨強度・降雨期間・頻度分布曲線)のダウンスケーリング手法と地域総合化手法を検討した。
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Research Products
(4 results)