Research Abstract |
本年度は,計画通り,アンケート調査と詳細現地調査およびデータベースの枠組作成を行った. 1.全国のエコスクール認定校を対象とした調査 まず,日本全国の環境に配慮された学校建築について文献調査を行った.エコスクール認定を受けた全国の小中学校は約400校あるが,そのうち建物の概要がわかるものは251校であった.アンケートの回収率向上を考え,対象をこれらの学校にしぼり,環境共生手法やエネルギー消費量に関するアンケート調査を行った. アンケートの内容は,認定タイプと規模,建物仕様などのハード的な項目,施設の使用状況や教育面での利用状況などソフト的な項目,エネルギー消費量などのデータである.アンケートは,平成19年1月に発送し,これまでに150校分のデータ(回収率60%)を得た. 2.現地詳細調査 現地詳細調査では,まず,先行調査を行っていた東京都内のエコスクール認定校(計17校)について解析した.17校の内8校が町田市にあることから,町田市の一般学校とエネルギー消費量を比較し,認定校では施設の拡充,一般開放などの理由で,総エネルギー消費量が多くなっていることを明らかにした. 学校の温熱快適性に関しては,児童・生徒に温湿度計を携帯させて,暴露環境を実測した.その結果,冷房のない学校では夏季の温度が非常に高いこと,児童下校後の戸締まりが室温の低下を阻んでいること,などを明らかにした.環境共生手法の効果については,杉並区等における夏季実測,TRNSYSを用いた詳細シミュレーションにより検討し,夏季は日射遮蔽,夜間通風冬季は断熱性能向上が特に効果のあることを明確にした. また,夏季の暑さが厳しい熊本県,日本海側の気候の福井県で,環境配慮手法が取り入れられている小中学校の現地調査を行った. 3.データベースの枠組み作成 アンケート調査を作成するときに,解析方法を考慮してデータベースの枠組みを作成した。
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