2006 Fiscal Year Annual Research Report
都市空間における建物間の立体的な空隙に関する形態学的研究
Project/Area Number |
18560617
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
及川 清昭 立命館大学, 理工学部, 教授 (00168840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 明 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (20126155)
平尾 和洋 立命館大学, 理工学部, 助教授 (00252479)
山本 直彦 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (50368007)
橋本 憲一郎 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (40361646)
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Keywords | 空隙 / 建物配置 / モルフォロジー / 立体的 / 球掃過 / クロージング / 画像処理 / 密集 |
Research Abstract |
本研究は都市空間における立体的な建物配置を対象として,「球掃過法」という手法を新たに開発し,建物間の立体的な空隙の体積を計量することを目的とする。球掃過法とは,ある一定の直径の球が入る,または入らない領域の形態を描出する手法である。球掃過法を実際の市街地に適用することによって,建物間の狭小な隙間から道路などの線形空地,公園やグラウンドといった集約された空地に至るまで,スケールに沿った空隙のヒエラルキーを明らかにし,都市空間の特性を形態学的に記述するとともに,得られた知見を防災や景観の計画に適用することを試みる。 平成18年度は,主に幾何学的分析手法の開発と建物配置のデータベースの作成を行った。 (1)空隙を計量するための球掃過法の開発 建物間の空隙を直径dの球が入るか否かによって二分し,直径dの値を変化させることによってスケールに沿った空隙の描出方法を開発する。そのための前段階として,平面的な建物配置図を対象とし,半径r円が入るか否かを判定する分析方法(円掃過法)の開発・整備を行った。解析プログラムはC++言語を用いた。円掃過法を発展させ,立体的な空隙の体積を計量するための手法(球掃過法)を開発中であるが,データの入出力が煩雑であり,何らかの簡略化を検討中である。 (2)建物配置図のデータベースの作成 解析システム構築用のサンプルデータは東京の市街地の一部を用い,それと併行して京都市の建物配置のデータを整備した。市販の建物配置図は完全にポリゴン化されていないものが数多く,不備なデータを検索し,手作業で修正を施した。また,特に防災計画に役立てることを計画しているので,2500分の1の都市計画図をすべてスキャンし,建物の耐火・非耐火のポリゴンデータを作成した。入力したポリゴン数(建物棟数)は約47万である。その中から特徴的な市街地を選定し,航空写真と現地調査をもとに3次元データ入力を継続中である。
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