2006 Fiscal Year Annual Research Report
カーボン系短繊維強化アルミ基複合材料の製造と界面組織解析
Project/Area Number |
18560668
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
増田 千利 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20350407)
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Keywords | 粉末や金 / 分散強化 / 非破壊検査 |
Research Abstract |
ここでは多層のカーボンナノチューブ(MWCM)をアルミ合金粉末と混合して放電焼結装置により固化成形(直系10mm、厚さ3mm)を行い、Cの量、密度、弾性率、硬度を測定した。重量パーセント0,2,5,7,10wt%となるようにアルミ合金粉末を調整して、アルゴン雰囲気として、遊星ボールミルにて、30、90分と2条件で混合を行った。結果は以下の通りである。1)C量は添加したMWCNTに近い量が検出されたが、添加量が多い場合には少なかった。2)密度はMWCNTの含有量が増えるに伴い減少するが、5wt%で約0.98であり、断面観察の結果微細な空孔が少し観察される程度であり、焼結はかなりうまくいっていると考えられた。3)超音波測定による弾性率の測定結果では、弾性率は5wt%までは上昇しているが、それ以上の含有率になると低下していた。4)硬度は5wt%までは上昇して、Hv200まで上昇していた。硬度と引張り強度との関連から引張り強度を予測した結果、最大で700MPaであった。これはアルミ合金としてはかなり高強度であるといえる。5)粉末の試料表面を観察した結果によると、混合時間とともに粉末表面に観察されるMWCNTの数は減少して行き、最後にはほとんど見えなくなる。粉末を腐食して観察した結果によると、粉末内部にはMWCNTが観察されることから、混合とともにCNTが粉末の間に取り込まれていくと考えられる。6)FIB加工により切断した試料を観察したところ、0Wt%の場合、マトリックス中に50nm程度の微細な分散粒子らしき特徴が観察されたが、これはアルミ中に含まれるSiが混合中に粉砕されて微細化したものと考えられる。CNT入りの試料では100nm程度の分散粒子が観察されている。これもSiと考えられるが、複合材料の方が大きい理由が定かではない。
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