2006 Fiscal Year Annual Research Report
海洋深層水からのレアメタルの多元素同時分離回収システムの開発
Project/Area Number |
18560724
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
吉塚 和治 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (70191567)
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Keywords | 海洋資源 / 反応・分離工学 / レアメタル / 吸着分離 |
Research Abstract |
ストロンチウムならびにルビジウムに対して高選択性を有する新規吸着分離剤を開発すると共に、これらの金属イオンの分離回収プロセスと今まで開発してきたリチウムの分離回収プロセスをハイブリッド化することにより、海水からの多元素同時分離回収システムを創成することを目的としている。平成18年度は以下の研究を行った。 (1)λ型二酸化マンガン系吸着剤の開発 ストロンチウム、ルビジウムを選択的に分離できるλ型二酸化マンガン系吸着剤の合成を行った。調製条件を種々変化させ、その吸着特性と結晶構造の関係を検討した。また、海水中に共存するナトリウムやマグネシウムなどに対するターゲットイオンの吸着選択性の測定を行ったところ、開発した吸着剤は、ストロンチウムやルビジウムに対して、選択性を有することを確認した。 (2)吸着速度の測定と吸着機構の解明 ターゲットイオン(ストロンチウムやルビジウム)の吸着速度のpH、金属イオン濃度、吸着剤量の依存性を明らかにしたところ、リチウムの吸着機構と同様なメカニズムで進行することを明らかにした。 (3)新規吸着剤の造粒手法の開発 上記で開発した新規吸着剤の造粒方法の開発を行った。造粒は射出成型法で行い、アルミナ系およびシリカ系バインダーを用いて、造粒方法の最適化を行った。また、造粒時のバインダー量が多すぎると吸着剤表面がバインダーにより過度に覆われ、吸着剤本来の性能を発揮できない可能性があるため、バインダーの種類・量などについて最適化を行った。 (4)模擬海洋深層水からのストロンチウム・ルビジウムの分離回収実験 造粒状吸着剤をカラムに詰め、ストロンチウム・ルビジウムのカラム吸着実験を行い、模擬海洋深層水に共存する成分に対する吸着選択性を明らかにした。また、海水を流した後の吸着剤の結晶構造を、粉末X線解析装置を用いて測定し、造粒吸着剤の海水への耐性についても評価を行った。
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Research Products
(4 results)