2007 Fiscal Year Annual Research Report
衛星搭載センサの紫外線劣化に対する光洗浄法の有効性評価
Project/Area Number |
18560781
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
伊藤 信成 Mie University, 教育学部, 准教授 (60344272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 雅裕 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (80274257)
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Keywords | 人工衛星 / 較正 / 汚染物質 / 透過率 / 分子ガス / 地球観測 |
Research Abstract |
多くの衛星搭載の光学センサでは,基準光源あるいは太陽光測定機構を搭載しており,軌道上での校正基準として用いられているが,校正基準の出力値が時間と共に低下する事象が報告され問題となっている。そこで,基準光源測定値の低下傾向の原因として有力視されている分子ガスの吸着に注目し,光学系に及ぼす影響としてガス吸着による透過率低下を定量評価した。ただし,衛星で使用されている光学要素、硝材,また軌道上で発生するガス種は多岐に及び,すべての種類について測定することはできないため,今年度は衛星光学系の典型としてSiO_2平面基板を用い,ガス放出源としてはケーブルの被膜等で使用されている可塑剤の中からヘキサトリアコンタン,フタル酸ジオクチル,ジプロピレングリコールメチルエチルアセテートの3種を選択した。 今年度は,まず既存の測定システムを有機ガス用に変更を行った。その上で250nm〜2mmの範囲で吸着に伴う透過率変動を測定した。合わせて紫外線照射による影響をフタル酸ジオクチルについて行った。照射した紫外線は400nm,350nmの2波長である。今年度の測定から,以下の結果が得られた。 ・可視-近赤外域でガス分子の官能基に基づく吸収バンドはなく,ガス吸着に伴う透過率の変化は無視できる程度 ・紫外線照射により分光透過率に変化は認められなかったが,照射後の分子膜はベーキングによる脱離ができず,何らかの変性が起きている可能性が示唆される
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Research Products
(1 results)