2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18560787
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Research Institution | Wakayama National College of Technology |
Principal Investigator |
高木 浩一 Wakayama National College of Technology, 物質工学科, 教授 (60111077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 利幸 和歌山工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (60191235)
岸本 昇 和歌山工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (50280433)
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Keywords | 廃棄物再資源化 / 有機工業化学 / 反応・分離工学 / 太陽電池 |
Research Abstract |
梅干しの調味廃液の有効利用を図るために、下記のA〜Cに関する基礎技術を検討した。 3年計画の最終年度は以下の知見を得た。 A. 調味廃液中のグルタミン酸,クエン酸などの有効成分の分離回収 昨年度までの結果を踏まえ、多成分化したモデル調味廃液を用いて、吸着平衡関係を測定し、構成成分の相互作用について検討した。モデル廃液を用いて、吸着平衡関係の測定実験を行い、廃液に含まれる有用成分の分離回収の収率について、塩濃度が影響を及ぼすことが判明した。また、電気透析法により、塩が優先的に廃液中から除去できることを実験的に検証することができた。以上の結果から、吸着法・電気透析法を併用することにより、クエン酸、天然色素など有用成分の選択的回収が可能であることが明らかになった。 B. 調味廃液に含まれる糖およびクエン酸を用いたムメフラールの合成法の確立 マイクロ波を用いて、無溶媒でフルクトースとクエン酸からワンステップの反応でHMFおよびムメフラールが生成し、塩が存在すると収率の向上が見られた。さらに、糖およびクエン酸等が含まれる塩除去処理を行わない調味廃液からマイクロ波を用いた反応でHMFを比較的高収率で得ることが出来た。このように無溶媒や廃液から有効成分を取り出すことができ、研究目的にかなった結論を得ることが出来た。 C. 調味廃液中の色素を用いた色素増感型太陽電池の作製 FTO基板を用いて酸化チタンの焼付け温度を変化させて太陽電池を作製した結果、短絡電流の向上が見られた。カーボンを陽極に用いた場合でも、最も良い特性として、開放電圧360mV,短絡電流1.08mA/cm^2,曲線因子0.498,効率0.194%が得られた。一方、調味廃液から太陽電池を試作した結果、短絡電流が低く、酸化チタンへの吸着工程の改善が必要であることが分かった。 以上の研究による成果を国際会議や国内学会等で発表した。
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