2006 Fiscal Year Annual Research Report
環境応答を制御するCOP9シグナロソームの新規メカニズムの解明
Project/Area Number |
18570041
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柘植 知彦 京都大学, 化学研究所, 助手 (50291076)
|
Keywords | シグナル伝達 / 光形態形成 / タンパク質分解制御 / 発現制御 / 植物 / mRNA代謝制御 / タンパク質相互作用 / 環境応答 |
Research Abstract |
これまでにCSNが核内でタンパク質分解を調節して、生体内の情報伝達を制御することが判明している。一方、遺伝学や生化学的解析とCSN過剰発現および機能欠損変異体との組み合わせから、タンパク質分解調節のみでは説明できない知見が蓄積している。そこでCSNの制御メカニズム解明を目的に、CSNと直接相互作用する因子群を単離した結果、全く新規の結合因子としてmRNAの代謝に関わる因子群を動物培養細胞の系より複数同定している。 平成18年度は、同定された結合候補を手がかりに、植物で個体レベルの研究を展開し、CSNの新たな制御機構を解明することを目的とした。その結果次のことを解明したので報告する。 1.動物の系で生化学的網羅解析によりCSN1結合因子候補として同定されたSAP130(spliceosome associated protein130)が、シロイヌナズナでCSN1と直接結合することを、共沈を用いたin vitro実験系、yeast-two-hybridを用いたin vivoの実験系で明らかにした。同時に、シロイヌナズナSAP130遺伝子の単離と発現系の確立を行なった。 2.シロイヌナズナのSAP130遺伝子が第3番染色体上に2コピー存在し、その両遺伝子の発現は検証された全ての器官で確認された。また、一方が他方より優位に発現していることから、次年度は、作製や同定が進むSAP130の過剰発現株や機能欠損変異株と組み合わせた、詳細な解析を予定する。 3.シロイヌナズナCSN1、SAP130のN末端、C末端特異的に認識するペプチド抗体を作製し、その特異性を確認した。次年度はこれを用いて、タンパク質レベルにおける発現解析と、各々のタンパク質の可視化による相互作用解析を進める。 以上の成果の一部は、ZOMES-IV、日本分子生物学会2006フォーラム、日本植物生理学会年会において報告した。
|