2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18570098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
篠原 現人 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 研究員 (10280520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 央 北海道大学, 総合博物館, 助教授 (00312421)
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Keywords | 魚類 / 臀鰭棘 / 進化 / 形態 / スズキ目 / カサゴ目 / マトウダイ目 / キンメダイ目 |
Research Abstract |
棘鰭上目魚類の臀鰭棘とその担鰭骨の状態を把握するため,軟エックス線撮影装置による標本の非破壊検査をおこった.軟エックス線撮影に使用した魚類標本は合計920個体で,81科213種にまたがり,それらの画像をすべてフィルム上に記録した.撮影した分類群の内訳は北海道大学所蔵のスズキ目ゲンゲ亜目の各科(分担研究者が担当)と国立科学博物館,東海大学,大阪市立自然史博物館,京都大学および高知大学所蔵のスズキ目スズキ亜目,スズキ目ベラ亜目,カサゴ目,マトウダイ目ならびにキンメダイ目の各科(研究代表者が担当)である.さらに国内の研究機関では所蔵していない種の標本について情報を整理し,海外の研究機関からの標本借用等について検討した.軟エックス線画像の大まかな観察により,臀鰭棘間の長さの関係や,担鰭骨上での位置関係についていくつかのパターンを発見した.また臀鰭棘の関節部の詳細観察を行う目的で,大部分の科にまたがる標本を透明標本用に確保し,一部の標本について作成を始めた.国内外の研究機関で観察に利用できる透明標本ならびに解剖済み標本の所在を調べた.棘鰭上目でも巨大な分類群であるカサゴ目については臀鰭棘とその担鰭骨との関節様式で2つのパターンが存在することを確認し,多くのカサゴ目の分類群の解剖済み標本を材料に,目内での分布様式を調べた. 棘鰭上目内の各分類群の系統類縁関係については近年形態学と分子系統学の間だけではなく,分子系統学内の個別の研究間でさえ異なった結果を示しているため,本研究課題における進化様式の把握の基礎を固める目的で,カサゴ目とその周辺分類群の系統研究のレヴューを行った.海外の研究者との意見交換の資料とするため,この結果を日本魚類学会の英文誌に発表した.
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Research Products
(1 results)