2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18570098
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
篠原 現人 National Museum of Nature and Science, Tokyo, 研究主幹 (10280520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 央 北海道大学, 総合博物館, 准教授 (00312421)
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Keywords | 形態学 / 解剖学 / 進化 / 軟エックス線像 / 臀鰭棘 / 担鰭骨 / 棘鰭上目 / スズキ目 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き棘鰭上目魚類の臀鰭棘とその担鰭骨の状態を調査した.軟エックス線撮影の他に,国立科学博物館所蔵標本を用いて,染色透明標本を作製し観察を行った.研究代表者と研究分担者が同時に米国国立自然史博物館とカリフォルニア科学アカデミーに訪問し,同博物館所蔵の染色透明標本を観察し,顕微鏡写真を撮影し持ち帰った.米国国立自然史博物館では,おもに軟エックス線画像を収集し,カリフォルニア科学アカデミーでは測定をおこなった.米国の両研究機関において日本国内研究機関では標本が発見できなかったスズキ目のスズキ亜目ノトグラプトゥス科,エラッソマ科,アオバダイ科,イネルミア科およびポリケントルス科,キノボリウオ亜目オスプロネムス科,キンポ亜目ダクテユロスコプス科ならびにワニギス亜目トラキヌス科のデータを集めることができた.現在まで総計で130科360種のデータを収集したことになる. 国内の標本を精査する過程で,スズキ目テンジクダイ科ヤツトゲテンジクダイ属の日本初記録種1種とカサゴ目イボオコゼ科マスダオコゼ属の未記載種1種を発見し,近縁種との軟エックス線画像の比較をおこない,論文として公表した.ヤツトゲテンジクダイ属は,軟エックス線画像で確認可能な背鰭棘の形質を報告したが,臀鰭棘については特異的な形質は認められなかった.マスダオコゼ属については,タイプ標本のものを含む軟エックス線画像を集めて比較を試みたが,稀種を多く含むため臀鰭棘や臀鰭担鰭骨の形状に関する属内や種内変異が十分に把握できなった.
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Research Products
(2 results)