2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18570101
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡邉 信久 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授 (70212321)
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Keywords | 構造生物学 / 膜タンパク質 / 多剤排出システム / セカンダリートランスポーター / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
年度途中で名古屋大学に移籍したため,昨年度大腸菌による組換え大量発現系を確立した黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)由来の多剤排出系QacAとNorA,コリネ菌(Corynebacterium glutamicum)由来CGL2611の3つに絞り,精製タンパク質試料調整法の検討と結晶化実験を行なった.QacAの場合,透過電子顕微鏡観察からは,基質であるローダミン6G(R6G)の存在下で抽出・精製を行うとアグリゲーションを避けることが出来ることが分った.また,CD測定および示差走査熱量分析(DSC)の結果からはR6Gによって立体構造も安定化される傾向があることが示唆された.しかし,CGL2611に関しては,有意に構造を安定化する基質の情報が得られなかった.さらに,試料濃縮の際に界面活性剤DDMが問題となることが判明したため中断した.結晶化条件スクーニング実験はQacAとNorAに絞って実施し,これらの立体構造を壊さない5種類の界面活性剤と2種類の結晶化剤PEG400およびPEG3350の相分離点を決定し,初期スクリーニングの実施条件を決定した.蒸気拡散法の温度条件の変更やリピディックキュービックフェイズ法による結晶化を試みた結果,結晶様の析出物は得られたが,X線回折能を示す結晶を得ることは出来なかった.Mistic融合発現系では,膜貫通ヘリックスが少ない小型のEbrA,EbrBの他に,13本のTetB,14本のLmrBについても発現を確認することが出来た.
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