2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18570111
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田村 茂彦 九州大学, 大学院理学研究院, 助教授 (90236753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤木 幸夫 九州大学, 理学研究院, 教授 (70261237)
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Keywords | ペルオキシソーム / オルガネラ / AAAタンパク質 / ペルオキシン / ペルオキシソーム欠損症 / 変異部位解析 |
Research Abstract |
細胞内小器官ペルオキシソーム(peroxisome)は多くの重要な代謝機能を有し、その障害は遺伝性の致死的疾患をもたらす。この遺伝性難病はZellweger症候群に代表されるペルオキシソーム欠損症として知られている。本課題研究はペルオキシソームをモデルオルガネラとして、タンパク質の細胞内選別輸送、オルガネラの形成や生体膜の形成機構などいわゆるプロテインキネシスの課題解明を目的としている。そこで18年度では、AAAペルオキシンであるPex1pとPex6p、そしてこれらをペルオキシソーム膜へ局在させるPex26pから成る複合体を研究の中心として位置づけた。 まず、Pex1pとPex6pの結合ドメインを探索した結果、両者のD1およびD2ドメインが複合体形成およびペルオキシソーム生合成において重要な働きをしていることを明らかにした。また、AAAペルオキシンとPex26pとの複合体形成にはPex6pとPex26pのアミノ末端側ドメインが関わり、さらに複合体形成能とペルオキシソームへの局在、およびペルオキシソーム生合成との機能相関を解明した。一方、Pex1pは細胞質においてホモオリゴマーを形成するタイプも存在することを示し、AAAペルオキシン機能の多様性と、細胞内におけるダイナミックな動態変化が機能を発揮するうえで重要であることを示唆した[J.Biol.Chem.281,27693-27704.(2006)]。 次に、ヒトペルオキシソーム欠損症患者におけるPEX26変異と機能障害の相関について分子レベルで研究を行った。患者由来の線維芽細胞を用いて、病因となる遺伝子変異を系統的に解析し、PEX26の温度感受性変異と臨床病型との相関について興味深い知見を得た[J.Biol.Chem.281,1317-1323.(2006)]。 以上の結果を合わせ、AAAペルオキシンとPex26pがペルオキシソーム生合成において果たす役割とその障害について考察した。
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Research Products
(2 results)