2006 Fiscal Year Annual Research Report
新たに発生したキュウリうどんこ病菌の発生実態および宿主拡大戦略に関する研究
Project/Area Number |
18580046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
佐藤 幸生 富山県立大学, 工学部, 教授 (20104979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高松 進 三重大学, 生物資源学部, 教授 (20260599)
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Keywords | キュウリ / うどんこ病菌 / 発生実態 |
Research Abstract |
1 キュウリなどウリ類植物上で新たに発生したうどんこ病菌の発生実態 (1)富山県、秋田県と東京都におけるキュウリ上でのうどんこ病菌の発生実態 富山県では2006年6〜7月にキュウリ家庭菜園55カ所中46カ所でOidium属Reticuloidium亜属菌(OR菌)の発生を、東京都では,2006年4〜7月,同じく4市1町8圃場の半促成および路地栽培キュウリ中,7圃場でOR菌の発生を認めた。秋田県では2006年7月初旬に県南部のハウス栽培7圃場で調査し5圃場でOR菌の発生を確認した。発生品種は,南極2号,アンコール10,勇泉,京涼み、夏すずみ、トキワ地這、インパクト、プロジェクト、シルフィー、金沢太キュウリと節成千両の11品種であった。以上のことからキュウリ上のOR菌は本邦の各地で発生していることが示唆され、今後対策が必要と考える(平成18年度日本植物病理学会関西部会発表) 2 キュウリ以外の植物上でのRetivuloidium亜属菌の発生とキュウリへの伝染源の可能性 2006年9月,東京都でジニアおよびキクイモにOidium属reticuloidium亜属菌(OR菌)によるうどんこ病の新発生を認めた。この2植物のダリア,ヒマワリ(以上キク科)およびパンジーのOR菌と,近年発生が拡大しているキュウリのOR菌とを相互に接種した結果,キク科分離4菌株は菌株により宿主範囲が多少異なったが,キュウリとヒマワリにはすべての菌株が病原性を示した。パンジー菌はキク科植物には病原性を認めなかったが,キュウリには強い病原性を示した。したがって,キュウリうどんこ病菌の伝染源としての役割は少ないと考えられた。一方,キュウリ菌はキク科植物およびパンジーのいずれにも病原性を認めず,今回接種に供試したキク科植物およびパンジーとキュウリのOR菌はそれぞれ宿主範囲が異なった(平成19年日本植物病理学会で発表)。
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Research Products
(1 results)