2006 Fiscal Year Annual Research Report
黄色ブドウ球菌の2成分性膜孔形成毒素の活性発現に関与する標的細胞上の因子の解明
Project/Area Number |
18580065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金子 淳 東北大学, 大学院農学研究科, 助手 (30221188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神尾 好是 東北学院大学, 環境防災工学研究所, 客員教授 (00109175)
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Keywords | Staphycoccus aureus / lipid rafts / recepter / γ-hemolysin / leukocidin |
Research Abstract |
(1)ロイコシジンの眼孔形成には白血球細胞膜のラフトが関与している 白血球にLukS、LukFを単独あるいは同時に作用させ、Brig35で可溶化した後ショ糖密度勾配遠心によりラフトを分画した結果、LukS単独およびLukS-LukFの膜孔複合体はラフトと挙動を共にしたが、LukF単独ではラフト両分に回収された。10mMメチルβサイクロデキストリンで白血球を処理したところロイコシジンのラフトへの集合が阻害され、崩壊活性は見られなかった。以上の結果から、ロイコシジンの2成分がヒト多形核白血球膜状のラフト上で膜孔オリゴマーを形成することを明らかにした。 (2)赤血球膜上のレセプターの同定(進行中) これまでにロイコシジンと同様、γヘモリジンも赤血球膜ラフト上で膜孔を形成していることを示す結果が得られた。その際、初発の成分であるLukFが単独でラフト両分に存在することから、LukFのレセプターはラフト両分にある、あるいは集積する因子であることが示唆された。 一方、赤血球膜蛋白質とLukFとのウエストウエスタンでは有意なバンドが得られ無かったことから、赤血球膜上のレセプターは単独の蛋白質ではなく、複合体(蛋白質、脂質、糖脂質など)であることが予想される。現在、赤血球膜のラフト両分からLukFのレセプターとなる複合体の精製を試みている。 (3)γヘモリジン/ロイコシジン遺伝子の発現調節因子の解明 γヘモリジン/ロイコシジン遺伝子の発現にグローバルレギュレーターの一つであるsae系が関与していることを明らかにした。
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