2007 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムの情報発現・分配・修復における細胞核アクチン関連タンパク質の機能解析
Project/Area Number |
18580087
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原田 昌彦 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 准教授 (70218642)
|
Keywords | ゲノム / アクチン関連タンパク質 / クロマチン / DNA損傷修復 / 染色体分配 / 遺伝子発現制御 |
Research Abstract |
hArp5のDNA修復への関与を解析する目的で、siRNAを用いてHeLa細胞のhArp5発現を抑制した。この細胞はDNA損傷への感受性が増大しているが、hArp5抗体を用いた解析からは、DNA損傷時にhArp5の核内局在に変化は観察されなかった。しかし、γ-H2AXに対する抗体で免疫染色およびウエスタンブロットを行ったところ、hArp5のノックダウンによってDNA損傷に伴うγ-H2AXの集積が阻害されることが示された。一方、hArp5を過剰発現した細胞では、DNA損傷に伴うγ-H2AXの集積が亢進していた。この結果は、hArp5がH2AXのリン酸化の機構を介してDNA修復に関与している可能性を示唆している。また、hArp8抗体を用いてhArp8の細胞内局在を観察したところ、GFP-hArp8の発現によって示唆されたと同様に、分裂期染色体上にhArp8が存在することが示された。これは、分裂期染色体上に存在するアクチンファミリーのはじめての例である。siRNAによるhArp8のノックダウンによって、分裂期染色体の赤道面への整列に異常が観察されたことから、hArp8がゲノムの安定な分配に寄与していることが明らかとなった。一方で、hIno80のノックダウンによっては染色体の整列の異常は観察されなかったことから、このhArp8の機能は、hIN080複合体には非依存的であることが示唆された。hArp8抗体カラムを用いて、hArp8を複合体の精製を試み、複合体の部分精製に成功した。
|
Research Products
(10 results)