2007 Fiscal Year Annual Research Report
カテキンの血管保護・拡張作用を仲介する新奇受容体分子の同定とその食品分野での応用
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18580113
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中井 雄治 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特任准教授 (10321788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久恒 辰博 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (10238298)
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Keywords | 食品 / 生理学 / プロテオミクス / 受容体 / ポリフェノール |
Research Abstract |
本研究では、血管内皮細胞中の(+)-カテキンの標的分子を同定することにより、(+)-カテキンによる血管内皮細胞拡張作用の分子機構を解明することを目的とした。昨年度、マウス血管内皮細胞由来培養細胞株であるbEnd.3細胞で、カテキン刺激応答としてのNO産生に再現性のよい結果が得られなかったため、文献的に同様のNO産生能をもつことがわかっているヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を材料として用い、NO産生系の至適化を行ってきた。しかしながらHUVECにおけるNO産生系は、応答のバックグラウンドが高く、現在まで文献で報告されているNO産生の再現を得るに至っていない。そこで、ATCCからbEnd.3細胞を再度購入し、NO産生系の再構築を試みている。一方、in vivoにおける(+)-カテキンの作用が刺激後比較的早い段階で認められたことから、翻訳後修飾レベルでの蛋白質変化も予想され、二次元電気泳動上でスポットの変化となって検出されることが期待される。そこで、8週齢、♂のICRマウスに(+)-カテキンを100mg/kgで尾静脈注射により投与し、3時間後の(+)-カテキン投与マウスとコントロールマウスの脳抽出液のタンパク質発現プロファイルを2次元電気泳動で解析した。その結果、(+)-カテキン投与により、分子量約6万、pI約8.1および分子量約1.7万、pI約8.3のスポットの増大、分子量約2.2万、pI約5.7のスポットの減少が認められた。これらのスポットは、受容体候補分子、あるいはその下流に存在するシグナル伝達に関与する分子である可能性が考えられる。今後これらのスポットを同定していく予定である。
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[Journal Article] Up-regulation of Genes Related to the Ubiquitin-Proteasome System in the Brown Adipose Tissue of 24-h-fasted Rats.2008
Author(s)
Nakai, Y., Hashida, H., Kadota, K., Minami, M., Shimizu, K., Matsumoto, I., Kato, H., Abe, K.
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Journal Title
Biosci. Biotechnol. Biochem. 72
Pages: 139-148
Peer Reviewed