2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18580190
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
森山 俊介 北里大学, 水産学部, 助教授 (50222352)
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Keywords | アワビ / 脳下垂体ホルモン / 分子進化 / 成長促進因子 / サケ成長ホルモン |
Research Abstract |
申請者は、魚類および四肢動物の成長ホルモンおよび同族のプロラクチンとソマトラクチンの構造比較に基づいて、これらホルモンの分子進化と機能分化を考察し、成長ホルモン分子族の祖先遺伝子は、成長ホルモンであり、無脊椎動物に起源を有すると推定した。この仮説を基にして、サケ成長ホルモン抗体に対する免疫陽性細胞をエゾアワビの脳神経節に認めた。このことは、エゾアワビの脳神経節に成長ホルモンに類似の成長促進因子が存在することを強く示唆する。そこで本年度は、エゾアワビの成長促進因子を探索した。 1.エゾアワビの成長促進因子の探索 エゾアワビの脳神経節(殻長5cm、300個)を採取した。2gの脳神経節を200mMの酢酸アンモニウム(pH9.0)で抽出し、その上清をゲル濾過および陰イオン交換クロマトグラフィーで分画し、高性能液体クロマトグラフィーで精製した。その結果、サケ成長ホルモン抗体に対して免疫反応陽性の分子量、18kDaおよび20kDaのタンパク質を検出した。これらタンパク質のアミノ末端の配列(15残基)を決定したが、既知の成長ホルモンの構造に対して相同性は認められなかった。現在、分子内の構造を決定するために、18kDaおよび20kDaのタンパク質の精製を進めている。また、構造情報を基に作製した縮重プライマーを用いて、これらタンパク質cDNAのPCRによる増幅を行なっている。 2.エゾアワビの成長促進因子受容体の探索 サケ成長ホルモン抗体に免疫陽性反応を示す組織を特定するために、殻長1cmのエゾアワビ稚貝に10μgのサケ成長ホルモンを注射した後、12時間毎に48時間目まで5個のアワビをプアン液で固定した。現在、免疫組織染色を進めている。また、成長促進因子受容体cDNAをPCRにより増幅するために、魚類の成長ホルモン受容体の構造比較を基にしたプライマーを設計した。
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Research Products
(3 results)