2006 Fiscal Year Annual Research Report
人為的環境を利用する野生ニホンザルの土地利用と環境選択
Project/Area Number |
18580268
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
室山 泰之 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (70314242)
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Keywords | 行動圏 / 植生調査 / 農地調査 / ラジオテレメトリー / GIS |
Research Abstract |
ニホンザルによる環境選択と食物利用可能性と食物量の変動との関係を調べるために、ラジオテレメトリー法による土地利用の調査と、森林内および集落内の資源量調査を行なった。土地利用については、調査対象である2集団を対象として、各月5日間の終日追跡調査を実施し、1時間毎の位置情報を記録した。森林内の資源量については、ニホンザルの主要食物となっている植物のフェノロジーを半月毎にルートセンサスによって調べた。さらに、秋季の主要食物である堅果類については、高木種7種29本にシードトラップを設置して落果量調査を行ない、アケビ類についてはルートセンサスによって結実数をカウントした。集落内の資源量については、半月毎に、調査地内の各集落で10箇所のサンプル圃場をランダムに選択して作物の種類と状態を記録すると同時に、果樹のフェノロジー調査を行なった。さらに1群については、行動圏内にあるすべての集落で、集落内に存在する19種類の果樹本数の調査を実施した。GISソフトを用いて、位置情報データを植生図と重ね合わせて環境選択を分析した結果、行動圏の北側に位置する集落周辺の利用が多かった。この地域の森林には堅果類と若干のアケビ類が存在することがわかっているが、2006年の果実量調査では結実量が少なく、そのために集落を利用することが多かったと推測された。今後集落内の食物量について詳細に分析するとともに、森林内の食物量の年次変動を調べることにより、森林内と集落内の食物量変動が、ニホンザルの環境選択にどの程度影響しているかを明らかにする予定である。
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Research Products
(3 results)