2006 Fiscal Year Annual Research Report
ABCトランスポーター、Bcrp1によるマウス胚性幹細胞の未分化維持機構の解明
Project/Area Number |
18580283
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
三谷 匡 近畿大学, 先端技術総合研究所, 助教授 (10322265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 和弘 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (10298937)
松本 和也 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (20298938)
田口 義智 近畿大学, 生物理工学部, 講師 (70309269)
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Keywords | ABCトランスポーター / Bcrp1 / 胚性幹細胞 / Oct4 / フローサイトメトリー / 分化誘導 |
Research Abstract |
本研究では、ES細胞の未分化状態の維持におけるABCトランスポーターファミリー・Bcrp1による制御機構に関する分子基盤を明らかにすることを目的とする。本年度は以下の研究を行った。 (1)ES細胞におけるBcrp1と転写因子Oct4の発現との相関 ES細胞におけるBcrp1と未分化幹細胞特異的転写因子のひとつであるOct4との相関について、免疫組織化学やフローサイトメトリー(FCM)で解析した。その結果、Bcrp1は未分化状態のES細胞表面に局在していること、分化誘導に伴いOct4の発現低下と強い相関があることが明らかとなった。しかし、キメラ形成能が既知であるESクローン間において、Bcrp1の発現量に顕著な差は見られなかった。 (2)Bcrp1のクローニングとABCトランスポーターの機能解析 Bcrp1のクローニングについては、マウスBcrp1の配列情報をもとにES細胞からcDNAをクローニングした。それを元に、pgk1プロモーター1Bcrp1発現ベクターを作製した。 (3)ES細胞の分化過程におけるBcrp1の機能解析モデルの構築 ES細胞におけるBcrp1の分化過程での解析モデルとして、マウス及びサルES細胞を用いて体外分化誘導系の構築を行った。マウスES細胞の単層培養法による肝細胞様細胞への分化系と、サルES細胞の生殖細胞への分化誘導系を構築した。また、ES細胞の根源となる未分化な状態である初期胚の発生機構の解析モデルとして、モロフォリノオリゴによる初期胚でのOct4の発現抑制系を開発した。さらに、RNAiによる標的タンパク質発現抑制ES細胞の開発モデルとして、ノックダウンマウスでの個体解析を行なった。ES細胞のプロテオーム解析条件に関しては、2次元電気泳動条件等、網羅的タンパク質発現プロファイリング条件について検討した。
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Research Products
(5 results)