2006 Fiscal Year Annual Research Report
血液脳関門モデルを用いたウエストナイルウイルス神経侵襲メカニズムの解明
Project/Area Number |
18580302
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木村 享史 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 助教授 (90261338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
好井 健太朗 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 助手 (50421988)
澤 洋文 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 教授 (30292006)
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Keywords | ウイルス / 脳・神経 |
Research Abstract |
血液脳関門(BBB)のin vitroモデルを構築するにあたり、ヒト初代培養脳微小血管内皮細胞(BMECs)とヒト初代培養星状膠細胞の共培養をまず行った。Transwell filterの上面に2×10^5個のBMECsを、下面裏側に9×10^4個の星状膠細胞を接着させ培養を行い、膜間電気抵抗値(TEER値)の計測によってintegrityを評価したが、BMECsと星状膠細胞の増殖が非常に遅いため、安定した結果を得ることが困難であった。次に、Transwellの上面に2×10^5個のヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)を接着させ、単層培養を行ってintegrityを評価したところ、上述の共培養に比較して安定なTEER値が得られ、FITC標識デキストラン(MW70,000)の透過性も非常に低い値を示した。以上より、ウイルスの血管内皮細胞通過性を評価する系として、HUVEC単培養を使用したin vitroモデルは信頼性が高く、より適切であると考えられた。 pCMVベクター(Invitrogen)にWNV NY99 6LP株およびEg101株の構造遺伝子(C、PrM、E)のcDNAを組み込んだ発現プラスミドを作製した。WNV非構造蛋白遺伝子全長とその下流に緑色蛍光蛋白EGFP発現カセットを有するWNVレプリコン(テキサス大学医学部Peter Mason博士より分与)をBHK細胞に電気穿孔法によって導入し、24時間培養後に発現プラスミドのトランスフェクションを行い、さらに48時間培養後、上清中にVLPsの産生が確認された。VLPs感染細胞は緑色蛍光により容易に同定され、かつ子孫ウイルスの産生は認められない。このVLPsと上述のin vitroモデルを併用することにより、WNVの血管内皮通過様式を詳細に検索することが可能となった。
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Research Products
(2 results)