2007 Fiscal Year Annual Research Report
飼養環境下の牛群におけるマイコトキシン汚染の検証-特に繁殖性に与える影響
Project/Area Number |
18580318
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
高木 光博 Kagoshima University, 農学部, 准教授 (40271746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 明夫 帯広畜産大学, 大学院・畜産学研究科, 教授 (10192767)
音井 威重 山口大学, 大学院・連合獣医学研究科, 教授 (30311814)
川村 理 香川大学, 農学部, 准教授 (30204770)
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Keywords | ウシ / ゼアラレノン / 卵子 / LC / MS / MS |
Research Abstract |
申請者らは、これまでにウシ飼養環境下のマイコトキシン(MT)浸潤動態をモニタリングする目的で、Fusarium属真菌由来MTで、尿中に排出され、エストロジェン類似作用を持つことから家畜に繁殖障害などを引き起こす可能性が示唆されているゼアラレノン(Zen)に着目し、1)簡便なMT浸潤動態モニタリング法の1つとして、ELISA法を用いたウシ尿中Zen濃度測定の有用性、2)規定値以下ながら、ウシ飼養環境下における貯蔵飼料中Zenの自然汚染の存在、および3)飼料へのMT吸着剤添加による尿中Zen濃度低減効果、を確認して、飼養環境の違いがウシ尿中Zen濃度に影響を与えるという新知見を報告した。(第54回、第55回日本産業動物獣医学会)。Zenの繁殖性に与える影響に関しては、これまでにウシ卵子の体外培養系モデルを用いた成熟培養液中へのZen添加実験を行い、卵子成熟能、および体外受精後の胚盤胞への発生能を検証した結果から、添加Zen濃度依存的な成熟能(第二成熟分裂終了)の有意な低下が観察されるものの、体外受精後の胚盤胞への発生率には影響しないという極めて興味深い現象を初めて報告している(Takagi, et. al.,; International Conference on Farm Animal Reproduction,オランダ,2007年5月)。さらに、これまでに報告のないウシ卵胞液中Zen、およびその代謝物であるα-およびβ-ゼアラレノールの存在の有無を検証するために、LC/MS/MS法を用いた検出系の確立をはかり、現在までのところ、C-18カラムとZenのイムノアフィニティカラムを用いた固相抽出法により、Zen添加回収試験において85%の回収率が得られることを確認している。
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Research Products
(1 results)