2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18580321
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
野上 貞雄 Nihon University, 生物資源科学部, 教授 (90172767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 淳 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (70296169)
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Keywords | Dirofilaria immitis / 犬糸状虫 / 寄生虫 / 猫 / 犬 / 免疫診断 / ELISA / 疫学 |
Research Abstract |
本邦の飼育犬数は約1,300万頭といわれているが、登録犬数は約680万頭で、そのうち狂犬病ワクチン接種頭数は約510万頭しかなく、来院しない飼育犬がかなりいることは明白である。予防投薬の普及により来院犬の多くはフィラリア症の予防投薬を受けている、即ち来院犬にはフィラリア陽性犬は少ないため、フィラリア症を体験することがない臨床獣医師が増加しつつある。そこで、フィラリア症の感染様相を把握する一助として、フィラリア症予防の投薬を1年以上受けていない来院犬119頭(2〜16歳)を対象に、免疫学的な抗原検出法による疫学調査を実施した。フィラリア陽性率は、雄13.3%(8/60)、雌5.1%(3/59)、全体で9.2%(11/119)であった。この成績は、臨床獣医師の実感・体験とは大きく異なり、本邦の犬の獣医療において、依然としてフィラリア対策が重要なことを示している。 フィラリアは、猫やヒトにも感染する。特に猫では、大部分は無症状だが発症した場合の病害は大きく、米国では突然死をも招く重大な疾患として捉えられつつあるが、本邦の獣医療において、猫に対するフィラリア症の予防投薬はほとんど行われていない。従って、猫のフィラリア陽性率を調査することは、暴露状況把握の指標の一つとなる。そこで、来院猫216頭(2〜17歳)を対象に、免疫学的な抗体検出法による疫学調査を実施した。フィラリア陽性率は、雄10.3%(8/78)、雌10.5%(9/86)、不明の2頭を含め全体で8.8%(19/216)であった。フィラリア抗体陽性率は、0から30%と動物病院間による差が大きかった
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Research Products
(3 results)