2006 Fiscal Year Annual Research Report
医薬品の新しい分子標的に対する制御分子の合成化学的研究
Project/Area Number |
18590013
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
加藤 正 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (50382669)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 一弘 東北薬科大学, 薬学部, 助手 (10382673)
|
Keywords | 抗がん剤 / N-SMase阻害活性 / スキホスタチン / 構造-括性相関研究 / スタキフリン / 抗インフルエンザAウイスル / カスケード反応 / 天然物合成 |
Research Abstract |
平成18年度に以下の研究実績が得られた。 (1)中性スフィンゴミエリナーゼ阻害剤スキホスタチンの構造活性相関に関する研究 1997年、糸状菌より単離されたスキホスタチンは,非常に強力かつ特異的な中性スフィンゴミエリナーゼ(N-SMase)阻害活性を示し(現在知られているN-SMase阻害剤の中で最強の活性)、多くの生化学・薬理学研究者から注目を集めている。平成18年度は、申請者らが確立したスキホスタチンの全合成経路を基軸として類縁体合成を行った。その結果、課題であったスキホスタチン自体の化学的不安定性を大きく改善し、構造-活性相関研究を可能にする類縁体を数種類合成することに成功した。 (2)抗インフルエンザAウイルス活性物質スタキフリンの合成研究 1997年、Stachybotrys sp.から単離されたスタキフリンは、非常に強い抗インフルエンザウイルス活性を示す(IC_<50>=0.003μM)。スタキフリンは既存のインフルエンザ治療薬とはまったく異なる作用機序を有しており、次世代のインフルエンザ治療薬あるいは予防薬としての可能性が示唆されている。平成18年度は、申請者が開発したエポキシドの「新規カスケード型反応」によるデカヒドロベンゾ[d]キサンテン骨格の一段階合成法を応用して、スタキフリンの全合成研究を行い、すべての不斉炭素と官能基を有するスタキフリン前駆体の合成に成功した。今後は、脱保護条件の検討を行うことにより全合成を達成できる見込みである。
|
Research Products
(7 results)