2007 Fiscal Year Annual Research Report
医薬品の新しい分子標的に対する制御分子の合成化学的研究
Project/Area Number |
18590013
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
加藤 正 Tohoku Pharmaceutical University, 薬学部, 教授 (50382669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 一弘 東北薬科大学, 薬学部, 助教 (10382673)
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Keywords | 抗がん剤 / 化学合成 / 免疫抑制剤 / カンデラリドB / インフルエンザ治療薬 / スタキフリン |
Research Abstract |
平成19年度に以下の研究実績が得られた。 (1)免疫抑制物質カンデラリドBの合成研究 2001年、Sesquicillium candelabrumより単離されたカンデラリド類は、カリウムイオンチャンネルKv1.3阻害活性を示し新規免疫抑制剤としての有用性が示唆されている。平成19年度は、申請者らが確立したカンデラリドAおよびBの全合成経路を基軸として、同類で最も生物活性が強く、より多官能基化されたカンデラリドBの合成を行った。その結果、重要中間体であるエポキシ体に対してピリジニウム炉p-トルエンスルポナート(PPTS)を作用させると分子内エーテル環化反応が進行し、epi-カンデラリドBが得られることがわかった。現在、本法を天然型カンデラリドBの全合成に向けて応用・検討している。 (2)抗インフルエンザAウイルス活性物質スタキプリンの合成研究 1997年、Stachybotrys sp.から単離されたスタキブリンは、非常に強い抗インフルエンザウイルス活性(IC_<50>=0.003mM)を示し、次世代のインフルエンザ治療薬あるいは予防薬としての可能性が示唆されている。本年度は、申請者が開発したエポキシドの「新規カスケード型反応」によるデカヒドロベンゾ[d]キサンテン骨格の一段階合成法を応用して、イソインドリノン環をp-メトキシベンジル(PMB)基あるいは2,3-ジメトキシベンジル(DMB)基で保護したメチルスタキブリンの合成を達成した。一方、モデル化合物によるイソインドリノン環上のDMB基の脱保護条件検討により、硝酸二アンモニウムセリウム(IV)(CAN)あるいは[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン(PIFA)が有効であるという結果を得ており、現在、本法を応用してスタキブリンの全合成に向けて検討している。
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Research Products
(13 results)