2007 Fiscal Year Annual Research Report
触媒的不斉芳香族アミノ化反応を利用する光学活性含窒素化合物の効率的合成
Project/Area Number |
18590018
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
北川 理 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 薬学部, 准教授 (30214787)
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Keywords | アトロプ異性 / ラクタム / アミノ化 / 不斉触媒反応 / NET阻害剤 |
Research Abstract |
平成19年度は,触媒的不斉分子内芳香族アミノ化反応を利用したアトロプ異性ラクタムの高エナンチオ選択的合成と得られたラクタム生成物の有用化合物への変換反応について詳細に検討した結果,以下の知見を得た. 1,触媒的不斉分子内芳香族アミノ化反応を利用する光学活性アトロプ異性ラクタムの合成 申請者は,先に見いだした触媒的不斉芳香族アミノ化反応を分子内反応へ適用することにより,光学活性アトロプ異性ラクタムの合成を試みた.すなわち,分子内にヨードフェニル基を有する種々のオルト-tert-ブチル-NH-アニリドの反応を(R)-SEGPHOS-Pd(OAc)_2触媒存在下行なうと,高エナンチオ選択的(93-98%ee)にアトロプ異性ラクタムが得られることを見いだした.また,得られたアトロプ異性ラクタムのラセミ化の回転障壁は先に報告したアニリド誘導体よりもかなり高く,キラル分子として十分に利用可能であることも明らかにした. 2,光学活性アトロプ異性ラクタムを用いる生理活性化合物の合成 高エナンチオ選択的に得られたアトロプ異性ラクタムを用いて,ノルエピネフリントランスポーター阻害剤(NET阻害剤)として知られている化合物への変換反応を検討した.まず,ラクタムより調製したリチウムエノラートと臭化アリルとの反応により,高ジアステレオ選択的にα-アリルラクタムを得た.次いで,アリル基部位の官能基変換,ならびにretro-Friedel-Crafts反応による脱tert-ブチル化により,NET阻害剤の合成中間体として知られている化合物の不斉合成に成功した.
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Research Products
(3 results)