2006 Fiscal Year Annual Research Report
コンドロイチン硫酸の腸管免疫系を介した抗炎症作用の分子解析
Project/Area Number |
18590030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
戸井田 敏彦 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (60163945)
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Keywords | コンドロイチン硫酸 / 全身性免疫 / Th1 / Th2バランス / 抗アレルギー活性 / サイトカイン産生 |
Research Abstract |
1.コラーゲン誘導肢踵浮腫に及ほす経口投与コンドロイチン硫酸の影響 Balb/cマウスに対し,II型コラーゲン上の関節炎惹起エピトープを認識する4種の抗体を尾静脈より投与し,その3日後にLPSを腹腔投与して補体を活性化させて関節炎を惹起させた.CS-A(平均分子量15kDa)を抗体投与1週間前から,400mg/kgの濃度で1日1回経口投与した.試験期間中,肢踵浮腫容積測定装置(Dial Thickness Gauge)で肢踵の浮腫を測定し,四肢肥厚の合計を疾患重篤度とし,各群の平均により比較を行った.また,同期間中に四肢に発症した関節炎の重篤度を観察し,Trenthamらによる関節炎の形態学的評価に順じてスコアを付け,四肢の合計を疾患重篤度とし,各群の平均により比較を行った.関節炎惹起1週間前から惹起後24日目まで,マウスの肢踵の浮腫を計測したところ,前後肢に明らかな関節炎重篤度に応じた浮腫が観察され,再現性の高い評価系であることを確認した.このときマウス血液中のヒスタミン量、IgEを測定したところ、コンドロイチン硫酸投与群で優位に低下していた. 2.抗アレルギー活性の検討 予備的検討において,経口投与したCSが僅かながら血中に移行されることを確認したが,消化管を取巻く環境で,種々の活性の第1段階が発現されることを考慮すると,CSの粘膜免疫系に及ぼす影響に興味が持たれた.そこで抗原感作マウス脾細胞にCSを添加して培養を行った際に,培地中抗原特異的IgE抗体価が抑制され,CSが抗アレルギー活性を有する可能性が示唆されたことから,CSに賦与される経口的生理活性として,抗アレルギー活性を評価した.その結果,CSの分子量に依存して効果は異なることが明らかになった.さらに,CSの経口的抗アレルギー活性が示された生体内における粘膜及び全身性免疫担当細胞の解析を試みたところ,Th1型のヘルパーT細胞が優位に上昇していることが明らかになった. 来年度も継続して検討を続けたいと考えている.
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Research Products
(4 results)