2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590102
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
井上 英夫 Osaka City University, 大学院・工学研究科, 教授 (80088856)
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Keywords | 塩基配列特異白 / 人工RNA分解酵素 / アンチセンス核酸医薬 / オリゴヌクレオチド誘導体 / 金属錯触媒 |
Research Abstract |
昨年度に引き続いて、数種類のターピリジン(錯体リガンド)結合ヌクレオシドの合成を必要に応じて行い、それらを鎖中央部に2個含む2'-0-メチルオリゴヌクレオチド誘導体(人工リボザイム)を合成した。合成した塩基配列特異的RNA分解酵素は以下の4つの型であり、研究成果を順に述べる。 1)糖部にターピリジンが結合したウリジン誘導体2種を活性部位に含む人工酵素[銅(II)錯体形成後]とRNA24merとの反応を酵素過剰条件および基質過剰の条件で行ない、反速度論的解析を行なった結果、いままで報告されたオリゴヌクレオチド系RNA切断剤の中で触媒回転能も含めて最も活性が高いことが明らかとなった。またこの酵素で長鎖RNA(緑色蛍光タンパク質GFP遺伝子の転写産物)の2つのループ中の標的部位の切断にも成功した。ただし切断反応には短鎖RNAに比べて長時間を要した。 2)上記の酵素の活性部位の5'側ウリジン誘導体をイノシン誘導体に変えた酵素を合成し、イノシンに相対する塩基を変えたRNA基質との反応を行なった結果、イノシンと塩基対形成が可能な塩基(A、U、C)の中でシトシン塩基の場合に、良好な切断活性が見られ、酵素の構造と活性に関する有益な知見を得た。 3)合成が容易なN3位ターピリジン結合チミジン誘導体を2個含む種々の鎖長をもつ酵素とRNA基質との反応を検討した結果、適当な長さの酵素では高い切断活性を示すことがわかった。 4)擬似塩基部(ベンゼン環)にターピリジンが結合したヌクレオシド1個を含む酵素を合成し、RNA基質との反応を行なった結果、ターピリジン・銅(II)錯体1個の導入でも比較的高い切断活性を示すことがわかった。
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