2007 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化モデル動物を用いた血管内皮細胞防御機能に関与するイオンチャネルの研究
Project/Area Number |
18590206
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
挾間 章博 Fukushima Medical University, 医学部, 教授 (60218394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝田 新一郎 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80285022)
山崎 将生 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (10192395)
三宅 将生 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00381385)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 動脈硬化 / 細胞障害 / イオンチャネル / 塩素シオン |
Research Abstract |
平成18年度に確立したウサギ血管内皮細胞を用いてイオンチャネルと細胞防御機構の関係を調べた。細胞膜イオン透過性を亢進させるイオノフォアamphotericin Bを細胞に投与し、細胞にダメージを定量的に加えるシステム(平成18年度に確立)を用いて、種々のイオン条件、及びイオンチャネル阻害剤の細胞障害に対する影響を調べた。その結果、塩素イオンチャネル阻害剤であるNPPBやDIDSがamphotericin Bによって引き起こされる細胞障害を抑制した。また、細胞外塩素イオンをグルコン酸に置換すると、細胞障害が軽減された。これらのことから、細胞への塩素イオンチャネルを抑制することが細胞防御効果をもたらすことが明らかとなった。amphotericin B以外に細胞障害を与える条件として、過酸化水素刺激による細胞障害が塩素イオンチャネル抑制により軽減されるかどうか調べた。過酸化水素刺激の場合もamphotericin Bの場合と同様にNPPBやDIDS投与、または塩素イオン置換により抑制されることが明らかとなった。このように、塩素イオン流入抑制が種々の細胞障害に対して細胞防御作用を持つことが明らかとなった。これらの研究から、塩素イオンチャネルを介する塩素イオンの流入が細胞に対してダメージを与えることが動脈硬化モデル動物における動脈硬化形成の機序に関与することが予想されたため、動脈硬化モデルウサギ(KHCウサギ)に対して、高濃度のNaClを食餌に加えて慢性的に投与する実験を行った。6ケ月の高NaCl食投与と動脈硬化形成の関係を調べたところ、驚くべきことに、高NaCl負荷群の方が動脈硬化の形成が抑制されることが明らかとなった。この機序について、現在、研究を進めているところである。
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