2006 Fiscal Year Annual Research Report
Rhoファミリーシグナル伝達系分子を対象とした疾患関連遺伝子の探索
Project/Area Number |
18590261
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
天野 睦紀 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 講師 (90304170)
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Keywords | Rho / Rac / Rho-kinase / STEF / シグナル伝達 |
Research Abstract |
Rhoファミリーシグナル伝達系分子は様々な生理機能や疾患の発症に重要な役割を果たすと考えられている。これまでに遺伝性精神遅滞の原因遺伝子として複数のRhoファミリーシグナル伝達系分子が報告されている。また血管の異常収縮や動脈硬化の改善にRhoのエフェクター分子であるRho-kinaseの阻害剤が有効であることから循環器系疾患においてもRhoファミリーシグナル伝達系分子が疾患の原因遺伝子や感受性遺伝子となっている可能性は極めて高いと考えられる。このような観点から、本研究ではヒト疾患(循環器系疾患や精神疾患等)の発症に関わるRhoファミリーシグナル伝達系分子の同定とその分子基盤を明らかにすることを目的としている。 Rhoファミリーシグナル伝達系においてはRacとRhoのシグナル経路が互いに桔抗することが細胞の運動や形態形成に重要な役割を果たしていると考えられているが、その機構については不明の部分も多かった。申請者は本研究においてRhoのエフェクター分子であるRho-kinaseがRac活性化因子であるSTEFをリン酸化すること、リン酸化を受けたSTEFはin vitroで結合蛋白質との相互作用が低下することを示し、リン酸化によりSTEFの機能が抑制されることを示唆する結果を得た。このことはRacとRhoシグナルが桔抗することを部分的に脱明するものであると考えている。また現在、Rhoファミリーの活性制御因子のSNPと疾患の関連解析を進めると共に、生化学的、および細胞生物学的解析を進めている。
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Research Products
(1 results)