2006 Fiscal Year Annual Research Report
BTBジンクフィンガー因子CIBZの転写調節機構と生理機能の解析
Project/Area Number |
18590268
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
松田 永照 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (00335481)
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Keywords | 転写 / BTBドメイン / CtBP / 細胞死 / caspase / CASTing法 / 細胞周期 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
1、細胞死など:SiRNAによるCIBZがノックダウンされた細胞では僅かにアポトーシスが亢進していることがアネキシン-V法で分かった。UV照射と薬剤を用いた細胞死の誘導実験で、CIBZがノックダウンされたNIH3T3細胞のほうはアポトーシスが亢進(PARPの顕著な上昇)していることが分かった。しかし、よく知られているpro-apoptoticとanti-apoptotic因子のmRNAとタンパク質の発現変化が認められなかった。Flag-CIBZを安定発現したNIH3T3細胞を用いて細胞死を誘導した実験で、アポトーシスの変化が確認されなかったが、CIBZタンパク質の発現がプロテアソーム阻害剤に依存しない著しく減少していることが分かった。CIBZにcaspase3切断サイト数箇所が存在していること、UV照射などによる細胞死の誘導でcaspase3のinhibitorを加えることでCIBZの発現がレスキューされることが確認された。今後、CIBZはcaspase3の基質として検証する必要がある。CIBZがノックダウンされた際、抗CtBP抗体(CtBP1/2とも認識)でCtBPの発現及び局在を調べたが、顕著な変化はなかった。また、CIBZがノックダウンされた時、CTCFの分解はプロテアソーム阻害剤であるMG-132によりレスキューされるが、CIBZとCTCFの結合は免疫沈降法では確認されなかった。 2、細胞周期など:FACSによりCIBZの安定発現細胞株及びノックダウンされた細胞の細胞周期を検証したが、顕著な変化はなかった。しかし、ノコダゾール処理したマウスの細胞をG2/M期に同調した際、CIBZの発現が2倍以上上昇していることが分かった。細胞増殖に関しては、細胞増殖アッセイを用いた実験では顕著な差が認められなかった。CIBZと癌化については、現在フランスのPierre-Antoine Defossez博士のグループと共同研究している。 3、標的DNA結合配列:CIBZが結合しうるDNA配列をCASTing法で解析し、いくつかのコンセンサス配列が得られた。 4、ノックアウトマウス:CIBZ+/-のES細胞を偽妊娠中のマウスにインジェクションし、キメラマウスが生まれたが、germ lineの伝達がまだ確認されていない。ロシアのProkhortchouk博士のグループも同じ問題が抱えている。
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