2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590509
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高橋 英夫 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (60335627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西堀 正洋 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50135943)
菅家 徹 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50432638)
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Keywords | ヌクレオカイン / 中和抗体 / 虚血性心疾患 / 単球 / マクロファージ / 脳血管疾患 / 梗塞 / 炎症 / 血管攣縮 |
Research Abstract |
虚血性心疾患と脳血管疾患は死因の上位を占める疾患群で、有効な治療法開発が待望されている。組換え型プラスミノーゲンアクチベータによる血栓溶解療法が梗塞の急性期治療法として導入されてきたが、治療有効時間帯の制限や、出血等の副作用のため有効性に限界があることも明らかになってきた。申請者は最近数年間、生体機能を調節する分子群のうち、特に単球/マクロファージの制御に関与する因子についての研究を進めてきた。単球/マクロファージの調節因子に注目した大きな理由は、このグループの分子群の中に各種疾患の炎症病態形成に関与する重要な因子が存在すると考えたからである。 申請者らは病巣指向性の抗ヌクレオカイン単クローン抗体による脳梗塞、心筋梗塞およびクモ膜下出血後脳血管攣縮の治療法開発を行ってきた。その結果、脳梗塞およびクモ膜下出血後脳血管攣縮に対してはこの中和抗体が著効し、壊死範囲が減少して後遺症が減少することがわかり、それぞれ特許第3876325号、3882090号という成果を得た。しかし、心筋梗塞モデルラットを用いた中和抗体の梗塞巣縮小効果の検討を行ったところ、左前下降枝下部の結紮による梗塞モデルに対しては中和抗体は著効し、心筋壊死範囲を減少させて心機能の改善という結果が得られた。しかし、左前下降枝上部の結紮により梗塞範囲が広くなると中和抗体は逆に心筋壊死範囲を増大した。この事は、治療薬として中和抗体の使用を考える上で、心機能障害者に対する使用の注意事項として確認できた。これらの一連の研究に対して、平成18年度武田科学振興財団報彰基金研究奨励と両備てい園記念財団研究助成を得ることができた。また、Mol Pharmacol.2006,70(2):450-3.,J Leukoc Biol.2006,80:1388-94.,Shock.2006,26:358-64.などの論文報告をした。
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Research Products
(4 results)