2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590532
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
野村 昌弘 The University of Tokushima, 総合科学部, 教授 (00243684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糸崎 秀夫 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (70354298)
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Keywords | 心磁図 / current density map / 異常電流 / isopotential map / 早期診断 |
Research Abstract |
磁界勾配から心起電力を推定できるcurrent density map法を用いて、心起電力を表示して臨床的有用性を詳細に検討した報告はみられない。本研究では、健常50例(健常群)、左室負荷疾患40例(LVO群)、右室負荷疾患15例(RVO群)、陳旧性下壁心筋梗塞症10例(OMI群)、糖尿病30例(DM群)を対象として、current density map法を用いて、心電図法で検出不可能な心起電力を捉えることが可能かどうか検討した。前胸部誘導心電図および心臓磁界計測より心室脱分極相および心室再分極相におけるisopotential mapおよびcurrent density mapを作成して、心起電力について比較検討した。 得られた結果として、1)健常群における心室脱分極相におけるcurrent density mapでは、1つのcurrent densityを認めた。2)MI群における心室脱分極相におけるcurrent density mapでは、健常群と異なり複数のcurrent densityを認めた。この複数のcurrent densityは、isopotential mapに比べてcurrent density mapにおいて高率にみられた(p<0.01)。3)RVO群のcurrent density mapでは、前胸部左中央の電流源に加えて、前胸部中央上方に右室由来と思われる心起電力が分離して認められた。4)心磁図法による前胸部中央上方のcurrent densityと収縮期肺動脈圧とは有意な相関関係にあった(r=+0.73、p<0.01)。5)心室再分極ベクトルの検討では、N群におけるcurrent density mapでは、1つのcurrent densityを認めるのみであったが、LVO群、DM群およびOMI群いずれのcurrent density mapでも、isopotential mapでは異常を認めない例においても、異常を示す電流源を高率に認めた(p<0.01)。 以上より、電位変化の検出法である心電図法では捉えられない心起電力を、磁界計測では位置分解能に優れているため早期から検出できる可能性が示唆された
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Research Products
(3 results)