2007 Fiscal Year Annual Research Report
頭髪、母乳及び臍帯のメチル水銀モニタリングによる妊婦のメチル水銀耐用摂取量の推定
Project/Area Number |
18590605
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
安藤 哲夫 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (10107865)
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Keywords | 母の頭髪水銀濃度 / セレン / へその緒 / カナ拾いテスト / 微量メチル水銀 / 健康影響 |
Research Abstract |
昨年度、新生児の臍帯の提供を呼ひかけたが倫理的な問題があり、実際に獲得できなかった。そこで、鹿児島県W町で40〜50歳代の住民に保存臍帯の提供を呼びかけたところ、提供に応じるとの情報が得られたので、W町における住民健診に参加し、6検体の提供があった。また、頭髪の提供も受けた。メチル水銀の影響を捉えるために2種類のカナ拾いテストを行った。また、健診時に再度、へその緒の提供を依頼し、再び、W町で10検体の提供を受け、2種類のカナ拾いテストを実施した。また、本年度はこれまでに収集していた試料のICP-MS分析を試みた。鹿児島県M町の3、4ケ月児健康診断の参加母59名の頭髪中諸金属を測定した。その結果、平均値はマグネシウム167ppm,カルシウム2163ppm,バナジウム1ppb未満,クロム0.6ppb,鉄33ppb,銅13ppb,亜鉛204ppm,カドミウム1ppb未満,鉛2ppb,ストロンチウム33ppb,セレン0.5ppb,水銀1.9ppmであり、マンガンとヒ素も測定したが、測定限界以下の試料が多く見られた。この内、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムは一週間当りの魚介類摂取頻度(回)に依存して濃度が低かった。一方、水銀は一週間当りの魚介類摂取頻度(回)に依存して濃度が高かった。また、セレンは母の年齢が高いほど高かった。諸金属と水銀との関係では、セレンとの相関が最も強かったが、有意ではなかった(p=0.104)。水銀とセレンについて対数値濃度を用いて相関関係をみたが、有意ではなかった(p=0.126)。
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