2007 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスマーカーとしての過酸化脂質の分子構造の解明とその法医学的応用
Project/Area Number |
18590633
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
上野 易弘 Kobe University, 医学系研究科, 教授 (30184956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 水辺 神戸大学, 医学系研究科, 助教 (90283879)
主田 英之 神戸大学, 医学系研究科, 助教 (90335448)
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Keywords | 脂質 / 酸化ストレス / アルコール / 抗酸化剤 / 死体現象 |
Research Abstract |
D-ガラクトサミンによる肝障害作用と抗酸化剤の効果 雄性Wister系ラットを実験動物に用いて、肝障害性を有するD-ガラクトサミン1g/kgを1回腹腔内に投与した。抗酸化剤としてα-トコフェロール30g/kgまたはダイゼイン(大豆イソフラボノイド)100g/kgを1回、D-ガラクトサミンを腹腔内投与する1時間前に投与した。D-ガラクトサミンを投与した24時間後にラットを屠殺し、肝臓及び脳、骨格筋(ヒラメ筋、足底筋、腓腹筋)を摘出した。各臓器・筋肉中のコレステロール過酸化物(7α-OOHと7β-OOH)並びにコレステロール酸化物(7α-OH,7β-OH,7-keto)を化学発光検出器又は紫外検出器附高速液体クロマトグラフにより定量し、過酸化反応の程度の指標とした。その結果、D-ガラクトサミンの投与により、対照ラットと比較して、肝臓では2倍、脳では1.5倍のコレステロール過酸化物および同酸化物の増加が認められた。足底筋でも対照ラットに比較して1.2倍のコレステロール過酸化物および同酸化物の増加が認められたが、ヒラメ筋と腓腹筋では増加は認められなかった。即ち、D-ガラクトサミンによる脂質過酸化の亢進は組織により異なることが明らかとなった。一方、α-トコフェロールとダイゼイン(大豆イソフラボノイド)のD-ガラクトサミンに対する抗酸化効果は、ダイゼインでは効果が認められたが、α-トコフェロールでの効果は認められなかった。
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Research Products
(4 results)