2007 Fiscal Year Annual Research Report
胸やけ誘発時の食道筋層収縮リアルタイム解析による症状発生メカニズムの解明
Project/Area Number |
18590709
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
三輪 洋人 Hyogo College of Medicine, 医学部, 教授 (80190833)
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Keywords | NERD / GERD / 食道酸注入 / 食道内超音波 / 食道筋層 / 胸やけ症状 / 筋層収縮 |
Research Abstract |
本研究は胸やけ、逆流感などの胃食道逆流症の定型症状と食道胃筋層収縮との関連を調べることを目的としたが、これを応用してGERDの簡易診断に役立てる可能性もある。 1.昨年に引き続き、健常者およびNERD患者を対象として食道内酸還流時の食道筋層の収縮を食:道内超音波内視鏡検査法にて観察した。健常者8名およびNERD6名患者において酸還流試験を行った結果、健常者6名およびNERD全員で患者胸やけを自覚したが、いずれの群でも症状出現時の平均食道筋層厚の増加は見られなかった。しかしNERD患者では酸注入前の食道筋層厚は健常人に比して有意に増大していた(L52±0.51mm vs l.06±0.18mm、p<0.05)。 2.上記の結果からGERD患者では有意な食道筋層厚の増加が見られることが示唆されたため、実際に体外式腹部超音波検査法で食道下端の筋層厚をoperator blindの前向き臨床試験を行ってGERD患者と非GERD患者で比較した。その結果、NERD患者の食道筋層厚は非GERD患者と変わらなかったものの、逆流性食道炎患者では非GERD患者に比して食道筋層厚が有意に増大していることが明らかになった(逆流性食道炎、NERD、健常人5.7±0.7mm、4.4±0.8mm、4.7±0.9mm、p<0.05)。腹部超音波検査は侵襲無く、簡易に食道胃筋層の評価を行うことが出来ることから今後GERD患者のスクリーニングに役立つ可能性がある。
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