2006 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌に対するHM1.24抗原を標的とした特異的免疫療法の開発
Project/Area Number |
18590855
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
西岡 安彦 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (70274199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楊河 宏章 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教授 (50263827)
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Keywords | 肺癌 / 癌抗原 / 抗体 / 特異的免疫療法 / 抗原ペプチド |
Research Abstract |
研究計画に沿って、まず肺癌細胞株におけるHM1.24抗原発現についてフローサイトメトリー法にて検討した。その結果、肺癌細胞株33株中15株(45%)の細胞にHM1.24抗原発現を認めた。また、本抗原は骨髄腫細胞に高発現していることが知られていることから、HM1.24抗原の発現レベルを骨髄腫細胞と比較検討した。33株の肺癌細胞株の中で7株(21%)に骨髄腫に匹敵する高発現株を認めた。高発現株は、肺小細胞癌細胞と腺癌細胞に多く認められた。一方、肺癌患者の胸水中から樹立した初代培養株4株について検討したところ、3株でHM1.24抗原の発現を認めたことから、in vivoでの患者肺癌組織においても発現していることが予想される。 次に、肺癌におけるHM1.24抗原発現が、肺癌細胞のサイトカイン処理で増強するか否かを検討した。インターフェロン(IFN)βおよびγの処理によりHM1.24抗原発現は増強した。増強効果は、HM1.24抗原発現の低い細胞株で顕著に観察された。 一方、^<51>Cr遊離試験を用いて抗HM1.24抗体による抗体依存性細胞障害活性(ADCC)を検討したところ、抗HM1.24抗体は肺癌細胞に対するADCC活性を有することが明らかとなった。抗HM1.24抗体によるADCC活性は、HM1.24抗原の発現量と相関が認められた。また、抗HM1.24抗体による補体依存性細胞障害活性(CDC)についても検討を行った。ADCC同様、HM1.24高発現株に対して高いCDCが検出された。さらにこれらのADCC及びCDC活性は、肺癌細胞のIFN-β、γの処理により増強することが明らかとなった。 以上から、抗HM1.24抗体を用いた肺癌に対する抗体療法の可能性が示唆されるとともに、IFNの併用による効果増強が示唆された。
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Research Products
(5 results)