2008 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌患者における癌細胞殺傷蛋白グラニュライシンと癌免疫療迷
Project/Area Number |
18590875
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Research Institution | Clinical Research Center, National Hospital Organization, Kinki-Chuo Chest Medical Center |
Principal Investigator |
久保 昭仁 Clinical Research Center, National Hospital Organization, Kinki-Chuo Chest Medical Center, 治験管理研究室, 室長 (60416245)
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Keywords | 癌 / 免疫学 / グラニュライシン |
Research Abstract |
癌の分子標的治療では免疫機能の温存が可能であり、癌の免疫療法は今後いっそう重要となる。細胞障害性キラーT細胞が分泌する細胞障害因子グラニュライシン(Gra)の分子標的治療における役割を検討した。ヒト生体内におけるGraの癌細胞に対する殺細胞効果を評価するためのモデル病態として進行期肺癌における癌性胸膜炎を利用した。すなわち、癌性胸膜炎合併肺癌患者に対して分子標的薬による化学療法を行うと同時に血中、胸水中の分子標的薬の薬物動態を解析した。同時にGra動態および胸水中癌細胞の変化を観察した。臨床経過との比較をおこない、Graの役割を検討した。対象は(i)病理学的に確定診断のついた癌性胸膜炎合併の病期IIIB-IV期非小細胞肺癌、(ii)症状緩和のために癌性胸水の排液が必要となった症例、(iii)本邦で最も広く使用されている分子標的治療薬ゲフィチニブによる治療適応のある症例である。 (1)平成18年6月から平成20年8月までに20例の癌性胸膜炎合併肺癌症例に胸水ドレナージとともにゲフィチニブ治療を行った。男12例、女8例、年齢中央値67.5歳、臨床病期IIIB8例、IV期12例、20例全例が腺癌であった。(2)全症例から経時的に血液と胸水を採取し、ゲフィチニブ濃度を測定し、ゲフィチニブの薬物動態を検討した。(3)癌性胸膜炎合併非小細胞肺癌に対するゲフィチニブ治療による効果、予後、有害事象を明らかにした。(4)血中、胸水中Graを経時的に測定した。ゲフィチニブ治療に対する反応性と血中・胸水中Graとの関連を検討した。 血中および胸水中Graは、ゲフィチニブ治療を受けた癌性胸膜炎合併非小細胞肺癌の治療反応性および予後と関連する可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)