2006 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリック症候群に伴う腎障害におけるRho-Rhoキナーゼ経路の役割
Project/Area Number |
18590904
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
脇野 修 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50265823)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 晃一 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80164937)
|
Keywords | メタボリックシンドローム / Rho / Rhoキナーゼ / 腎機能障害 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
メタボリック症候群のモデルとして高脂肪食飼育下のC57BL/6Jマウスが確立されだ(J Biol Chem 2005,208(37))。このモデルは遺伝子改変を用いておらず、食事のみでメタボリック症候群を再現でき、実際の状況を反映するモデルとなりうる。このモデルを用いRhoの活性化の関与およびRhoキナーゼ阻害薬の効果を検討する。現在このマウスに低脂肪食(10kcal% saturated fat diet)および高脂肪食(60kcal% saturated fat diet)で飼育し、それぞれにRhoキナーゼ阻害薬である塩酸ファスジルを飲料水に混ぜ投与した。まづこのモデルが、血圧非依存的に腎障害が認められ、メタボリック症候群による腎症として合致することを確認した。さらにRhoキナーゼ阻害薬の長期の内服の効果、腎機能に対する影響を検討している。現在投与4ヶ月目であり、ファスジルの代謝面での効果(体重増加の抑制)を確認し、Rhoキナーゼ阻害薬の尿蛋白減少効果を確認中である。 つぎに、Rho/Rhoキナーゼ経路の活性化がインスリン抵抗性の成因に重要であり、メタボリック症候群における腎障害に重要であるという仮説を遺伝子改変動物を用いて証明することを試みている。遺伝子改変動物としては脂肪組織特異的にRho/Rhoキナーゼ経路が活性化しているトランスジェニックマウスを作成中である。脂肪特異的なプロモーターであるAP-2遺伝子のプロモーターの下流にConstitutive activeなRho遺伝子をつないだベクターをC57/BLマウスの胚にインジェクトした。現在ファンダーマウスが作成されたところである。このマウスがメタボリック症候群を発症するか否か、さらに腎症が発症するかどうかを今後検討する予定である。
|