2007 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリック症候群に伴う腎障害におけるRho-Rhoキナーゼ経路の役割
Project/Area Number |
18590904
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
脇野 修 Keio University, 医学部, 講師 (50265823)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 晃一 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80164937)
|
Keywords | メタボリック症候群 / 慢性腎臓病 / Rho / Rhoキナーゼ / 脂肪細胞 / C57BL / 6Jマウス / 3T3L1-fibroblast |
Research Abstract |
メタボリック症候群とその腎機能障害における低分子G蛋白であるRhoおよびその下流の機能蛋白であるRhoキナーゼの意義につき検証した。6週齢のC57BL/6Jマウスを3群に分け、2群に高脂肪食を、1群に低脂肪食を与え(L群)12週間飼育した.高脂肪食投与群(H群)の1群にはRhoキナーゼ阻害薬の塩酸ファスジル(Fas)を経口投与した(F群)。平成18年度ではRhoキナーゼがサイトカイン、ケモカインを誘導し、腎障害を誘発した可能性を示した。平成19年度は脂肪細胞および脂肪組織おけるRho/Rhoキナーゼ径路の役割について、3T3-L1細胞を既報の方法で脂肪細胞に分化誘導させた系と上述のC57BL/6Jマウスの系を用いた系で検討した。3T3-L1細胞では、分化誘導後10日目からRhoキナーゼの活性化を認めた。Rhoキナーゼ阻害薬は10日以降の成熟脂肪細胞におけるアディポネクチンの発現を上昇させ、MCP-1とTNF-αの発現を低下させた。C57BL/6JマウスのH群の脂肪組織においてはRhoキナーゼの活性化が認められ、Fasはこれを有意に抑制した。H群ではL群と比較し、有意な脂肪組織重量の増加および脂肪細胞の面積の増加、アディポネクチンの発現の低下を認め、Fasはこれを有意に抑制した。以上よりRho/Rhoキナーゼ径路の脂肪細胞の肥大化およびアディポサイトカインの発現への関与が示唆された。現在脂肪組織特異的なプロモーターであるaP-2 promoterの下流にconstitutive active Rho(CA)遺伝子とdominant negative Rho (DN)をつないだベクターを遺伝子導入した遺伝子改変マウスの解析を行っている。これによりRho/Rhoキナーゼ径路のメタボリック症候群の腎障害やメタボリック症候群の発症、進展における重要性がより特異性をもって明らかになると思われる。
|
Research Products
(40 results)