2008 Fiscal Year Annual Research Report
抗アセチルコリンレセプター抗体陰性の全身型筋無力症患者の病態
Project/Area Number |
18590950
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉村 俊朗 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80182822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 治郎 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20380834)
本村 政勝 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (70244093)
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Keywords | アセチルコリン / MuSK / 抗体陰性 / 運動終板 / ラット / 微細構造 / 重症筋無力症 |
Research Abstract |
[目的]抗アセチルコリン受容体抗体陰性の筋無力症では、現在のところ筋特異的チロシンキナーゼ(MuSK)に対する抗体を有する患者が知られている。MuSKは運動終板の形成・維持に重要な役割を果たすことが報告されている。治療としては血漿交換療法や、副腎皮質ホルモンなど免疫抑制療法が主体であるが、抗コリンエステラーゼも重症筋無力症の治療薬としてしばしば第一選択薬として使用される。一方、抗コリンエステラーゼ薬は、運動終板でpostsynaptic foldの変性を来すことが知られている。そこで、抗MuSK抗体陽性重症筋無力症愚者に抗コリンエステラーゼを投与する際、運動終板の形態変化がより生じやすいかを、ラットで検討した。[対象・方法]18匹の雄ルイスラットにヒト抗Musk抗体陽性IgG,ヒト抗アセチルコリン受容体抗体陽性IgG,ヒト正常IgGを投与した。ラットには、臭化ネオスティグミンを投与した。ひらめ筋の運動終板を観察 した。[結果]抗MuSK抗体陽性lgG、もしくは、抗AChR抗体陽性lgGを投与されたラットはともに、アセチルコリン受容体の減少は観察されず、補体の沈着もなかった。微細構造の変化では、臭化ネオスティグミン投与が投与されたシナプス間隙に結合織の浸潤が観察されたが、シナプスの変性はなかった。[結論]抗アセチルコリン受容体抗体陽性の重症筋無力症においても、抗MuSK自己抗体陽性重症筋無力症においても、抗コリンエステラーゼ剤の投与で形態の変化は認められず、治療域での抗コリンエステラーゼ剤の投与は抗MuSK抗体陽性重症筋無力症でも使用は可能であろう。
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Research Products
(25 results)
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[Journal Article] Immobilization-induced cartilage degeneration is mediated through the expression of hypoxia-inducible factor-1?, vascular endothelial growth factor, and chondromodulin-1.2008
Author(s)
Sakamoto J Origuchi T, Okita M, NakanoJ, Kato K Yoshimura T, Izumi S, Komori T, NakamuraH, Ida H, Kawakami A, Eguchi K
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Journal Title
Connective Tissue Research 50
Pages: 37-45
Peer Reviewed
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[Presentation] Adeno-associated virus serotype 8-mediated targeting of asymmetric acetylcholinesterase to the synaptic basal lamina at the neuromuscular junction.2008
Author(s)
Ito M, Suzuki Y, Okada T, Fukudome T, Masuda A, Yoshimura T, Takeda S, Krejci E, Ohno K
Organizer
38th Annual Meeting, Society for Neuroscience
Place of Presentation
Washington DC, USA
Year and Date
20081115-20081119
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[Presentation] 労作時呼吸困難で発症し、薬物療法の効果を認めたMeige症候群の1例2008
Author(s)
大久保佑美, 福田 卓, 佐藤克也, 徳田昌紘, 立石洋平, 江口博人, 辻野 彰, 西浦義博, 本村政勝, 中村龍文, 吉村俊朗, 江口勝美, 福田智美, 高橋晴雄
Organizer
日本神経治療学会総会
Place of Presentation
神奈川(横浜)
Year and Date
20080626-20080627
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[Presentation] Rubinstein-Taybi症候群に合併した前大脳動脈解離の一例2008
Author(s)
佐藤 桂, 立石洋平, 福田卓, 枡田智子, 坂井無二子, 徳田昌紘, 佐藤克也, 辻野彰, 本村政勝, 吉村俊朗, 江口勝美
Organizer
日本神経学会九州地方会
Place of Presentation
沖縄
Year and Date
2008-12-13
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[Presentation] 抗signal recognition particle (SRP)抗体陽性多発筋(PM)の1例2008
Author(s)
福田 卓, 松本佳代, 本村政勝, 徳田昌紘, 立石洋平, 佐藤克也, 辻野 彰, 西浦義博, 中村龍文, 吉村俊朗, 柴山弘司, 西野一三, 鈴木重明, 江口勝美
Organizer
日本神経学会九州地方会
Place of Presentation
久留米
Year and Date
2008-09-20
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[Presentation] タクロリムス長期投与中に赤芽球癆を合併した重症筋無力症(MG)の1例2008
Author(s)
佐藤克也, 福田 卓, 徳田昌紘, 立石洋平, 辻野 彰, 西浦義博, 吉村俊朗, 中村龍文, 林 徳真吉, 田川 努, 永安 武, 本村政勝, 江口勝美
Organizer
日本神経学会九州地方会
Place of Presentation
鹿児島
Year and Date
2008-06-14
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